三島喜美代 |木下佳通代 |渡辺信子| 森本絵利| 中山明日香 by ギャラリーヤマキファインアート

会期:2024年10月29日(火) – 11月17日(日)
営業時間:火−金 11時−19時 / 土、日、祝 −17時
定休日:月(祝日の場合は翌平日)
会場:CADAN有楽町 Space L & S
住所:東京都千代田区丸の内3-1-1国際ビル1階

オープニング・レセプション:10月29日(火) 18:00 – 20:00

出展アーティスト
三島喜美代
木下佳通代
渡辺信子
森本絵利
中山明日香

この度、神戸を拠点とするギャラリーヤマキファインアートは CADAN 有楽町にて、5名のアーティストによるグループショウを開催いたします。

三島喜美代 | Kimiyo MISHIMA
1932年大阪府に生まれる。1960年代の新聞・雑誌・布などによるコラージュ作品にはじまり、1970年代からは新聞記事などを陶に転写、彩色した立体作品を継続して制作してきた。陶のもつ脆さと永続性に、流動的な「情報」を固定化させた作品は、ドライなユーモアによってポップアート界からも大きな賞賛を浴びた。2023年岐阜県現代陶芸美術館、2024年練馬区立美術館にて大規模な個展を開催。さらなる人気を博すも2024年6月惜しくも逝去されました(享年91歳)。

三島喜美代, Copy20, 2020年, セラミックに彩色, 41×29×0.2cm

木下佳通代|Kazuyo KINOSHITA
1939兵庫県に生まれる。1973年頃から1980年頃には、ゼログラフィー(青焼き写真)と呼ばれる電子複写技術を使用した作品を制作。晩年では油彩作品を中心に制作。その作品においては、絵の具を塗った後に布で拭き取る工程により、作品あるいは画家という存在の証明と否定とが拮抗しあう。一見すると一貫性のない前期・後期の作品群は、それぞれ人間の根本的な知覚を見つめなおすところから、自らの存在そのものへと向き合う、木下による一連の思索の過程を鮮やかに描き出している。2024年没後30年を期に、大阪中之島美術館、埼玉県立近代美術館にて大規模な回顧展が開催されている。

木下佳通代, 93₋CA790, 1993年, キャンバスにアクリル, 146×112cm

渡辺信子|Nobuko WATANABE
1948年東京都生まれ。音楽家として出発、後に具体美術協会メンバーとの出会いをきっかけに美術作品の制作を始める。1997 年頃から制作がはじまった木枠に布を張る作品は、平面、立体両方の要素をもつ。当初白一色で発表された後、単色やストライプなど色彩、柄の組み合わせも美しく、リズミカルな演出と心地よい緊張感を伴う。近年はステンレスに着色された作品も制作、大阪を拠点にドイツ、フランス、韓国など海外でも数多くの発表をしている。

渡辺信子, Wine red and Red and White-stripes, 2017, ステンレスに彩色, 40×13×7cm

森本絵利:Eri MORIMOTO
1978年大阪府生まれ。2001年に京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業し、同年「京展」(京都市美術館)にて市長賞を受賞、若手作家の登竜門「VOCA2008」にも入選。早くから注目を集め、近年は国内外のコレクターから高い評価を得ている。森本は美しい植物や風景を前にしたときに肌で感じる湿度や、場の匂い、または視覚から得る眼の悦びといった感覚を独自のルールに従って細分化していく。代表作「contour map」シリーズは、地図上で同じ高さの地点を結んだ線という意味があり、大きく捉えると輪郭線でもある。その境界に森本は身体的、感情的そして日常的な物事にある境目を“等高線:contour map”という見方で分類し、そこから世界を覗くことで自分なりの地図を描いている。

森本絵利, contour map # humidity – blue-grey / edge(B2-②), 2022, パネルに綿布、アクリル絵具

中山明日香:Asuka NAKAYAMA
1986年兵庫県生まれ。京都芸術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了したのち、現在は兵庫を拠点に作品制作を行う。2015年に西脇市岡之山美術館で自身初の美術館個展の開催、2021年に京都府新鋭選抜展で京都新聞賞を受賞するなど今後の活躍が期待される若手作家のひとり。最大の特徴は、巨大なキャンバス上において整然と並べられた家具と植物にあふれた庭園とが混在する不可思議な情景である。中山個人の記憶と現代社会への批判的なまなざしから成る作品は、現代的な感覚に満ち溢れる。

中山明日香, Living with nature, 2009, キャンバスに油彩, 176×232㎝