高橋尚愛展「Calendar for Year 3015」by MISAKO & ROSEN

高橋尚愛展「Calendar for Year 3015」by MISAKO & ROSEN
会期:2023年1月31日(火)~2月19日(日)
会場:CADAN有楽町 東京都千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビル1F
営業時間:火~金 11~19時 / 土、日、祝 ~17時  / 定休日:月(祝日の場合は翌平日)
企画:MISAKO & ROSEN

この度、CADAN有楽町では、MISAKO & ROSENによる高橋尚愛展「Calendar for Year 3015」を開催いたします。

高橋尚愛は、1940年東京生まれ。現在はアメリカのバーモント州とパリを拠点にしています。60年代にヨーロッパに渡り、70年代よりニューヨークで活動してきました。2015年になり若手アーティスト奥村雄樹により、その活気にあふれたニューヨークのアートシーンの中で、高橋は数々のアーティストたちと交流し活動してきたことが明らかにされてきました。
今回発表されるカレンダーの作品は、近年MISAKO & ROSENが解き明かそうとしてきた高橋の活動への理解をさらに深めることとなるでしょう。

高橋尚愛/時間をめぐる覚え書き 2023年1月
《Calendar for Year 3015》(1972/2015)

未来に辿り着くこと/時間に追い抜かれること

未来を引き延ばすこと/ミレニアムをひとつ飛ばすこと
——

未来が現在に追い付いてしまったので1000年が追加されたカレンダー
——

その生涯、そしてアーティストとしての遍歴を通じて、高橋尚愛は時間の経過と手を取り合いながら──そしてまた、いわば時間の経過に立ち向かいながら──活動してきた。波乱に満ちた彼の人生の軌跡は、時間の経過によって形成されたのである。逆も然り。時間もまた、高橋と手を取り合い、そして高橋に立ち向かいつつ、その活動を続けてきた。

活動の最初期、まだ若い美大生だった高橋が手がけたのは、歴史ある戦艦を記念するコンクリート製の巨大モニュメントだった。それは今日、横須賀市沿岸の海底に横たわっている。邪魔になったのか、あるいは時代に求められなくなったのか、とにかく彫刻は海に沈められ、跡地は駐車場になった。深い海に飲み込まれ、摂り込まれたそれの捜索は、今日まで試みられていない。未来の情景──何百万年もの時を経て化石化した聖書が出現するさま──を描いたドローイング《Petrified Bible》と同じく、この沈んだ記念碑もまた、過ぎ去った時代を未来に対して証言する、高橋流のタイム・カプセルなのかもしれない。それが再び姿を現すには、数千年、いや数百万年の時間がかかるのだろう。

時間がバラバラの撚り糸で織り成されていることを示す事例がもうひとつある。かつて高橋は、画面全体が模様で覆われた絵画に取り組んでいたが、1960年代中頃にそれをイタリアで初めて発表したとき、注目を得ることはできなかった。ワイド・ホワイト・スペースというアントワープの画廊で数年後に開かれた個展においても、寄せられた関心は限られていた。そのあと一連の絵画は同画廊の倉庫に姿を消した。そこに身を隠し、忘れられ、40年に渡って留まりつづけた。後年、2013年になってようやく──奥村雄樹というアーティストのおかげで──それらは表舞台に再登場し、注目を受け、世界中に点在することになった。

ときに高橋は、時間の進展がもたらす遅延に応じて、その流れに調整を加える。1972年、彼は西暦2000年という遠い未来のカレンダーを作ろうと思い立ち、まずはその準備として、溶剤を介して様々な既製のカレンダーのインクを月ごとに12枚のワックス・ペーパーへ転写した。彼が念頭に置いていたのは、1972年の暦が次に使われるのは2000年である──どちらも閏年なのだ──という事実だった。しかし結局、計画は実現されなかった。カレンダーは作成されず、ゆえに使用もされないまま、当の西暦2000年が到来してしまった。高橋が12枚の紙を再び引っ張り出したのは、準備から40年もの月日が流れた2015年、アムステルダムのアネット・ゲリンク・ギャラリーにおける展覧会のためだった。ようやく当初の計画が完了したわけだが、とはいえ重大な改変が加えられていた。とっくの昔に西暦2000年が過ぎていたため、西暦3015年という更に遠い未来へとカレンダーの年数が移行されたのである。

《Calendar for Year 3015》に現出しているのは、循環的な時間との戯れである。そこでは、過去のアイディアが再活性化され、現在へと運び込まれ、未来へと指し向けられている。それは再利用の反復であり、過去の再活性化であり、そしてもしかしたら、過去になることへの拒絶である。

本作に見て取れるのは延々と循環を続ける時間という考え方だが、そこから私が想起したのは次の短い覚え書きだった。1976年にサイ・トゥオンブリがタイプライターで打ち込んだ、高橋宛の一節である──「自然の偏執性とアーティストの執念だけに見受けられるロマンティックな連続体」。

経年変化によって脆くなったその黄色い紙に遭遇したとき、私は手つかずのまま箱に詰められていたヒサチカ発/宛の書簡──個人的なハガキ、手紙、殴り書きのメモ──を調べていた。場所はラファイエット通り381番地、ラウシェンバーグ財団のアーカイヴである。それは、活気に溢れた1970年代ニューヨークのアートシーンと密接に関わりながら、ヒサチカが40年近い歳月を過ごした建物でもある。

トゥオンブリが言うようなロマンティックな連続体は、段階的に変化していく自然の循環性においてのみ見知られているものだが、彼の見方によればそれはアーティストへと転移するのだ。それはアーティストの本質主義的な偏執性と無条件の不屈性において現出する。アーティストとしての実践の探究には持久力が、何度でも最初からやりなおす意志が必要となるのだ。連続体というコンセプトは、高橋の仕事の何たるかを照射するようでもある。彼は繰り返し過去に手直しを加える──新旧を往来し、過去を未来へと投射しながら。高橋は過去、現在、未来の間に齟齬をもたらし、非同期的な時間の糸を紡ぐ。彼に誘われ、私たちはそれをひとつずつ辿り直していく。

ソフィー・ユグナン

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主な展覧会
2018「視覚芸術百態:19のテーマによる196の作品」国立国際美術館、大阪(グループ展)
2016「トーマス・デマンド: L’Image Volee」プラダ財団、ミラノ(グループ展)
「奥村雄樹による高橋尚愛」銀座メゾンフォーラム、東京(グループ展)
2015「Hisachika Takahashi Annotated by Yuki Okumura: Memory of Past and Future Memory」アネット・ゲリンクギャラリー、アムステルダム(2人展)
2013 プロジェクト・ルーム、ヴィールズ・コンテンポラリー・アート・センター、ブリュッセル(個展)
「フロム・メモリー:ドロー・ア・マップ・オブ・ユナイテッド・ステート」ショーン・ケリー・ギャラリー、ニューヨーク(個展)
「ヒサチカ・タカハシ:アントワープ 1967 / ブリュッセル 2013」エキシビション・リサーチ・センター、リバプール(個展)
1987「フロム・メモリー:ドロ ー・ア・マップ・オブ・ユナイテッド・ステート」タンパ美術館、タンパ、フロリダ(個展)
1967 ワイド・ホワイトスペース、アントワープ(個展)

刊行物
2015 高橋尚愛「From Memory Draw a Map of the United States」Hatje Cantz刊
ルーシーリパードによるエッセイ、マルシアE ヴェトロックによるインタービュー

パブリックコレクション
メニル財団、ヒューストン
ダラス美術館、ダラス
フォーリンデン美術館、ヴァッセナール
国立国際美術館、大阪

染谷聡 × 川人綾「となりの揺らぎ」 by imura art gallery

染谷聡 × 川人綾『となりの揺らぎ』 by imura art gallery
会期:2023年1月10日(火)~1月29日(日)
会場:CADAN有楽町 東京都千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビル1F
時間:火~金 11~19時 / 土、日、祝 11~17時  定休日:月(祝日の場合は翌平日)
企画:imura art gallery

●トークイベント
2023年1月10日(火)18~19時 @CADAN有楽町
出演:染谷聡 川人綾 天野太郎(東京オペラシティアートギャラリー チーフ・キュレーター)
*@cadan_instaからインスタライブ配信もいたします。

この度、CADAN有楽町では、京都を拠点とする imura art galleryによる、染谷聡と川人綾による二人展「となりの揺らぎ」を開催いたします。

染谷聡《をどる桃》2021 撮影:来田猛 / KORODA takeru

染谷聡は、漆を素材に漆芸における装飾行為である「加飾」をテーマに制作し、工芸分野に留まらない作品を生み出しています。加飾の研究を重ねる中で、染谷は過去の漆作品の加飾に見られる微妙なズレに着目しました。このリサーチを自身の作品に昇華した作品が、近年制作している「ミストレーシング」シリーズです。過去の漆作品を、染谷なりにトレース(辿る/写す)することで、品物から垣間見えてくる物語と景色を作品化しています。

川人綾《CU C/U_dccxxx-dccxxx_(b)_XIII》2022 (参考画像) 撮影:大島拓也 / Takuya Oshima(Northern Studio)

一方、川人綾も染織という工芸分野から美術教育をスタートし、パリへの留学を経て、東京での大学院時代に織りのシステムを応用した「グリッド・ペインティング」を描くようになりました。神経科学者の父の影響を受け、幼い頃より脳を通して世界を把握しているということを強く意識していた川人は、グリッドの重なりによる錯視効果と、手作業による制御できないズレがもたらす意図しない美しさをテーマに制作しています。

初めてとなる二人展では、それぞれ自身のテーマに沿った新作を制作しつつ、お互いのコンセプトの重なる部分を意識しながら準備を進めました。同じ対象を見ていても、人それぞれ違う捉え方をしている面白さがある、と二人は言います。自分の目に見えている景色は、横にいる人のそれとは違うのかもしれない、という気づきを会場で感じていただければと思います。

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川人さんの「ズレ」に対する関心や工芸的な起点に興味があって、「ズレ」をテーマに一緒に展示ができたら面白そうだなと思っていました。一昨年越しに実現できて嬉しく思います。
僕は今回、土地に根付いた漆器の装飾を自分なりに辿り、写してゆく作品シリーズ、《ミストレーシング》を展示します。同時期に同シリーズを沖縄で展示中なので、その辺とも関連できればと思います。
せっかくの機会なので、いつもより自由にズレて、お互いのズレが良い揺らぎとなって空間に広がればなによりです。

染谷聡

染谷さんにこの2人展をご提案いただいたのは一昨年の秋頃だったが、とても嬉しかったのを覚えている。それまで染谷さんとお会いしたのは1度だけで、たしか数年前の京都のアートフェアだったと思う。その時に沖縄の染織の話になり、興味対象が似ているのかなと思っていた。
私の制作コンセプトは、一言にまとめると『制御とズレ』だが、同じものを見ていても、人それぞれ見えているものが異なるのではないか、という感覚を共有したいと思って作品をつくっている。それは染谷さんの制作にも共通していて、そのことが2人展開催のきっかけとなった。
今回の展示では、お互い肩の力を抜いて、少しいつもと違うことにトライする、というのが裏テーマだ。鑑賞者の方々にも、リラックスして楽しんでもらえたらと思う。

川人綾

<他会場での展覧会>
○川人綾
projectN 89
2023年1月18日(水)〜3月26日(日)
東京オペラシティアートギャラリー (初台)

○染谷聡
風景の宛先 | Beyond the Scene
2022年12月18日(日)〜2023年2月12日(日)
Gallery 9.5 NAHA (沖縄)

○染谷聡
ないじぇる芸術共創ラボ二人展「染谷聡×谷原菜摘子 わだかまる光陰」
2023年1月11日(水)〜17日(火)
文房堂ギャラリー (文房堂 神田本店3F)

伊勢克也+山本麻世「LESS THAN NATURE」by Sprout Curation

伊勢克也+山本麻世「LESS THAN NATURE」
2022年12月13日(火)〜1月8日(日)
会場:CADAN 有楽町
開廊時間:火〜金 11:00 – 19:00 / 土・日・祝 11:00 – 17:00
休廊日:月曜日 *年末年始休業:12/26 ~ 1/3
企画:Sprout Curation

○アーティストトーク
12月17日(土)11:00〜
会場:CADAN有楽町
出演:伊勢克也+山本麻世、ナビゲーション:志賀良和(Sprout Curation主宰)
伊勢克也が謎の形を探求するライフワーク「マカロニ」や、山本麻世の独特な寄生する彫刻などを巡って語り合います。
*CADANのインスタグラムアカウント(@cadan_insta)からライブ配信もいたします。

人間と自然が共振する、キモカッコイイ形態美!

自然と人間を繋ぐへその緒は完全に断ち切られることはない。伊勢克也はキクイムシのコロニーが生々しく残る倒木から、その痕跡を原寸で採取した描像と、ライフワークのブロンズ彫刻などを出品。山本麻世は代表作「へその緒シリーズ」、そして寄生するスポンテニアス・スカルプチャーなど、シャーマン・ライクな二人のアーティストの共演です。またそれぞれの新刊アーティストブックも限定販売いたします。

 

伊勢克也◎1960年盛岡市生まれ。東京芸術大学デザイン科卒業後、1984年大学院修士を修めるそのほぼ同時期に「日グラ」(日本グラフィック展@渋谷パルコ)の第5回大賞を受賞、一躍脚光を浴びます。「日グラ」は第3回の日比野克彦の受賞をきっかけに、ニュー・ペインティングに沸くファインアート界とコマーシャル・アート双方を巻き込み、80年代中盤に大きなムーヴメントとを作り出すことになります。それと同時期に没頭していたのが「マカロニ」シリーズです。「マカロニ」とは、フランス人考古学者アンリ・ブルイユがアルタミラ洞窟壁画を探索した際、狩猟採集や祭祀的な図像とは別に、無数に描かれていた謎の屈曲線を発見、それを「マカロニ」と呼んだことに因ります。スポンテニアスな線と、文字の中間のようなイメージ。爾来、伊勢克也は摩訶不思議な形象を自然から授かろうとするシャーマンのように、日本古来の多神教的な自然観と、近年はデジタルも駆使しながら、端緒から40年近く経った現在も「マカロニ」を探求し続けています。
東京タイポディレクターズクラブ(TDC)理事、女子美術短期大学の教授(現職)を歴任。2017年と19年にスプラウト・キュレーションで「マカロニ」シリーズの個展他、個展、グループ展多数。

 

山本麻世◎1980年東京生まれ。多摩美術大学大学院美術学部工芸科修了後、2005年から2008年までヘリットリートフェルト・アカデミー陶芸学科(アムステルダム)、2008年から2009年までサンドベルグ・インスティテュート、ファインアート学科(アムステルダム)に在籍。陶芸から現代アートへと指向が拡張する過程を経て、近年は構造物などに寄生する屋外彫刻を中心に活動。中でも標識テープをレリアン編みで作品化する「へその緒」シリーズはアイコニックな作品として注目されています。
主な個展に、2022年「交わると、生まれます」スプラウト・キュレーション/東京、2021年「イエティのまつ毛」アーティスト・ラン・スペース『オルタナティブ掘っ立て小屋:ナミイタ』/神奈川県・鶴川、2019年「母乳で育てた?それともミルク?」、2017年「川底でひるね」いずれもギャラリー川船/東京など。グループ展では2021年「平戸×オランダ海を越えた芸術祭」/長崎・平戸、「AHAPPYNEWWORLD」、2020年「UnrecognizedCreatures」ともにスプラウト・キュレーション/東京他多数。また2015年に新潟越後妻有トリエンナーレ「大地の芸術祭」、「ARTSEEDSHIRADO、2011年「六甲ミーツアート芸術散歩」で公募大賞特別賞、彫刻の森美術館賞受賞。同年おおさかカンバス推進事業(大阪)に参加。他、オランダ、韓国、フィリピンなどでアーティスト・イン・レジデンスに参加。

 

津上みゆき「さらさら、ゆく」 by ANOMALY

津上みゆき「さらさら、ゆく」 by ANOMALY
2022 年 11 月 22 日(火)〜12 月 11 日(日)
会場:CADAN 有楽町
開廊時間:火〜金 11:00 – 19:00 / 土・日・祝 11:00 – 17:00 / 休廊日:月曜日
企画:ANOMALY

○レセプション
11 月 25 日(金)18:30 より、作家を囲んでレセプションを開催いたします。是非お立ち寄りください。

この度CADAN有楽町では、東京・天王洲を拠点とするANOMALYによる津上みゆきの個展「さらさら、ゆく」を開催します。

津上みゆき 1973年東京に生まれ大阪に育つ。京都芸術大学大学院修了。2003年に VOCA賞を受賞、主な個展に、2005年「ARKO 津上みゆき」(大原美術館)、2013年「View−まなざしの軌跡、生まれくる風景」(一宮市三岸節子 記念美術館)、2015年「日本の風景、ウッカーマルクの風景」(ドミニカナ ークロスター・プレンツラウ/ドイツ)、2018年「時をみる」(上野の森美術館ギャラリー)、2019年「View−人の風景」(⻑崎県美術館)などがあり、国内外で数多くの作品を発表してきました。

津上は、1996年ニューヨークでの滞在制作の際に作品について再考する機会を得、帰国後独自の絵画を改めて探求し始めます。2005年大原美術館が行う滞在制作プログラムにおいて、日々のスケッチを元に風景画を描くという現在まで続く制作方法を確立しました。2013年五島文化財団 文化賞美術部門 新人賞受賞により、風景画誕生の地と言われるイギリスに滞在し制作するとともに、過去の風景画家とその作品についての研究と制作を行いました。

《View, A City, Time, 4:45pm 27 June 2022》のスケッチ(参考作品) 2022 ©︎Miyuki Tsugami

作品のタイトルに一貫して”View”という言葉を冠しているのは、目の前に存在する風景だけでなく、見方や考え方という広い意味を含んだ独自の風景画を追求していることに由来しています。津上の描く風景画はどのような風景が描かれているのか瞬時に判断できません。作品は見るものにある種忍耐を強いて存在しますが、津上のつくり出すみずみずしい色彩や豊かな筆致から生まれるかたちには、その土地やその場所が経験してきた出来事を紐解き、眼の前の風景を重ね合わせた、過去から現在までの流れる時間をもが表現されているのです。鑑賞者に作品の前で立ち止まり、色や形、構図や筆致を目で追い、作品を自分の風景として改めて開き、風景というもの、そのものの意味と共に向かい合うことを望む。それが津上みゆきの風景画です。

Left:《View, A City, Rain, 12:58pm 7 June 2022》 2022、 顔料、アクリル、その他、キャンバス、H50xW100cm Right: 《View, A City, Time, 4:45pm 27 June 2022》 2022、 顔料、アクリル、その他、キャンバス、H50xW100cm ©︎Miyuki Tsugami

本展では、三つの場所をスケッチし取材と思考を重ねた道の作品「View, Through the Doors, Morning 16 Jan 2022」、かつて海であった CADAN有楽町のある土地についての丁寧なリサーチに基づき生まれた大作など、新作約15点を展示します。せわしなく多くの人々が行き交う東京の中心、丸の内で、津上の風景画が流れるように過ぎ去る日常や記憶の中の場所に寄り添うきっかけとなれば幸いです。

この地上に棲まう無数の生き物たちが、己の命と共に、無数の場所の端々に、ひとひらとなり一陣となり姿を変えてさらさらとゆく。留まることを知らない水の摂理に小さな舟を浮かべ、今と昔の時を隔てて流るるが如く。

津上みゆき

同時開催となります NADiff a/p/a/r/t での個展は、会場近くを流れる都心の川の取材をもとに生まれた作品群が迫るように鑑賞者を取り囲みます。人の手でもたらされた古くは海であった多くの人々が行きかう都心のオフィス街と、人の住まう街に古くからある自然の水脈の今の姿。今を生きる私たちそれぞれの風景と重ね合わせながら、展示空間と作品との関係性をも踏まえた両展を、どうぞご高覧ください。

○同時開催:津上みゆき 個展
囁く如く (In a Whispering Way)
2022年11月23日 (水)−12月18日 (日)
NADiff a/p/a/r/t 、東京
アーティストトーク:2022年12月9日 (金)19:00- 20:30

津上みゆき http://miyukitsugami.jp

TOP画像:《View, Through the Doors, Morning 16 Jan 2022》2022、顔料、アクリル、その他、キャンバス、H146xW276.5 ©︎Miyuki Tsugami

南依岐「藝核一如」by rin art association

南依岐「藝核一如」by rin art association
Ibuki Minami “Art-Core-Oneness”

2022年11月1日(火)− 11月20日(日)
会場:CADAN 有楽町 (東京都千代田区有楽町 1-10-1 有楽町ビル 1F)
営業時間:火-金 11:00-19:00 / 土・日・祝 11:00-17:00
定休日:月曜日、11月13日(日)
企画:rin art association

●トークイベント
作家の南依岐氏のトークイベントを開催いたします。南依岐氏と哲学研究者の野村将揮氏をお招きし、rin art association のオーナー原田崇人氏をナビゲーターに展覧会のテーマや作品の根幹にあるものを探っていきます。展覧会と併せてぜひご高覧ください。
日時:11月3日(木)17:00-18:00
出演:南依岐、野村将揮(哲学研究者)、原田崇人(rin art association オーナー)
会場:CADAN有楽町
参加無料

CADAN 有楽町では、群馬、高崎を拠点にするrin art associationの 企画による南依岐個展「藝核一如」を開催いたします。

アルゴリズムの回路図をもとにした絵画シリーズで知られる南依岐。2020年のデビュー展以来、瞬く間に高い評価を獲得してきました。
南の絵画は、データの流れが分岐し、互いに関連する様子を描いたグラフアルゴリズムのドローイングに始まります。マーカーで記された数字やアルファベットなどの構成要素は、特定の色やトーンに関連付けられ、その上に描かれる絵画の指示書として機能しています。
こうしたグラフ構造にみられる多様な展開と色調は、さらにインパストの筆使いとリズミカルな構図によって強調されることになります。長方形や円形、点の配列など、異なる形状とテクスチャーをもつ幾何学的パターンが、互いに重なり合い、指向性をもつラインに繋がれ、ネットワーク化した世界の設計図を構成するのです。こうした絵画を成り立たせる複雑な関係性の解釈によって、南の絵画はよりコンセプチュアルな次元へと導かれていきます。
自身の作品制作を説明するために、南は「アートコア」という言葉を用いています。アートコアは、いわば美術を成立させるあらゆるソースコードの格納庫であり、生命においてDNAが果たす役割のように、絵画という行為を通じてそれが物質的、概念的、あるいは精神的に展開されるとも考えられます。科学、芸術、哲学の境界線はなく、すべてが不可分であり、人間の生命に不可欠なものであると考える作家は、「アートコア」という言葉に、未分化で未知なるこの領域の核心を託しているのです。

南依岐は1995年生まれ。アカデミー・オブ・アート大学(サンフランシスコ)で学士号を取得。現在は、東京を拠点に活動しています。

(TOP画像/撮影:木暮伸也)

「新進芸術家海外研修制度の予算についての要望書」を提出しました。

日本現代美術商協会は「新進芸術家海外研修制度の予算についての要望書」を文化庁長官に送付いたしました。

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2022年10月1日

一般社団法人日本現代美術商協会
代表理事 小山 登美夫

文化庁長官
都倉 俊一 殿

新進芸術家海外研修制度の予算についての要望書

新進芸術家海外研修制度は、1967年の発足以来55年に渡り、美術関係の各分野においては長期、短期合わせて1,500名に上る研修者を海外へと送り出し、その成果発表の場として1998年から開始された「ドマーニ・明日展」展は、研修後の活動期間を経たキャリアのある中堅作家や、近年在研を終えた清新な作家による展覧会として、毎年見応えある作品群が並びます。

しかしここ2年、本制度の美術関係の採択者が10名、5名と大きく減少しています。採択者の減少は、応募者自体の減少によるところと聞いていますが、その理由はひとえに新型コロナ感染症による海外への渡航困難、そして海外に活動拠点を移すことを躊躇せざるを得ない状況によるものであります。昨今、ようやく各国への渡航の規制が緩和され始め、これから平常時の状態へと戻るにつれ、海外研修への応募者も増えてくると考えられます。

本制度は、個々の研修者にとって自国では得ることのできない広い知見を身につける機会を後押しし、芸術活動を通した交流と、将来的に我が国の文化の基盤を支える若き人材の国際感覚の育成を促すものであります。

日頃、新進アーティストと協働する我々ギャラリーとしても本制度の果たしてきた社会的な役割と成果の重みを実感しており、ぜひとも文化庁におかれましては本制度の意義を長い目で捉えていただき、継続的な予算の確保を要望します。

以上

「M・THERESIA・D・G・R・IMP・HU・BO・REG・ARCHID・AVST・DUX・BURG・CO・TYR・1780・X」by Satoko Oe Contemporary × TALION GALLERY

展覧会期間:10月11日(火)〜10月30日(日)
会場:CADAN有楽町
営業時間:火-金 11.00-19.00/土・日 11.00-17.00
定休日:月曜日
企画:Satoko Oe Contemporary × TALION GALLERY

参加アーティスト:大岩雄典、平田尚也、髙柳恵里、White Waters [玉山拓郎、C2D]

展覧会タイトルの文字列は、かつてオーストリアで発行され、奇妙なことに東アフリカとアラビア半島の一部で広く流通し、コーヒー豆の取引などに1970年代まで使用されることになったマリアテレジア銀貨と呼ばれる硬貨に刻印されていたものです。この銀貨は、貨幣が貨幣として流通するために、価値を裏付ける物質や政治体制は必ずしも必要がないということを示す一例とされています。

本展は、2020年にCADAN有楽町で開催された「形式と形状」展での髙柳恵里の作品《裏返し》にまつわる出来事がきっかけとなって企画されました。会期中に訪れた観客の一人から、これは木彫なのかと問われ、会場に居合わせた「形式と形状」展の企画者は驚きました。

観客はなぜ《裏返し》を木彫だろうと思ったのか、また、企画者はなぜその質問に驚愕したのか。このエピソードから様々な問いや解釈を導くことが可能ですが、ここですでに明らかなことの一つは、現代美術において、一人のアーティストが制作にどのような素材や形式を選択するかは、およそ不確定であるということです。

絵画や彫刻といったジャンルの棲み分けが明瞭であった状況と比較すると、そうした共通の参照体系に基づく制作と鑑賞の安定的な場は、現代美術においては久しく存在しないとも言えます。つまり、髙柳恵里も木彫による作品を制作することは十分に有り得るが、それにも関わらず、なぜ《裏返し》は木彫であるはずがないと言えるのかという、新たな問いに私たちは直面することになります。

マリアテレジア銀貨の刻印とともに、本展では、こうした領域的なジャンルに対する脱領域的な作家性の対比を端緒として、目的論的な必然に対する、時間を含み込んだ蓋然性をテーマとするために、貨幣と芸術のアナロジーを梃子として提示されます。貨幣と芸術は、ともに人工物であり価値を保存するとされているにも関わらず、再帰的な性質をもつという点で非常に似通っているとも言えます。つまり、芸術も貨幣も、それがどのようなものであるかは、個別具体的な通用例を見ることでしか分かりません。

言い換えると、経済学が貨幣をつくるのではなく貨幣が経済学をつくるのであり、これと同様に、美学が美術作品をつくるのではなく美術作品が美学を生んでいます。ここではもちろん、貨幣と芸術がどのように異なるのかということも重要な視点となります。商品とお金を交換するとき、貨幣は(芸術が及ぶべくもないほどの)透明な価値の媒体となっています。貨幣はアイコニックな対象として、美術の歴史においても繰り返し制作のモチーフとなってきましたが、本展が主題とする価値の蓋然性は、この種のシンボリズムとはまったく異なるものです。

出展アーティストのメディアは、インスタレーションや彫刻、映像など多様です。髙柳恵里は《裏返し》を再び展示し、インスタレーションとフィクションについて制作・研究する大岩雄典は「可能な行為の空間」を感覚するカードゲームなどを提示します。バーチャルな造形操作を用いる平田尚也は、新たな秩序の中で彫刻を問い直し、玉山拓郎とC2DによるWhite Watersは概念上の支持体として、社会的な二分法の間隙を縫う作品を発表します。

商業の中心地であり、また街作りの一環として国際的な銀行や証券などの金融機関を誘致した歴史をもつ丸ノ内仲通りに面したCADAN有楽町のスペースで、交換と価値の蓋然性を問う本展「M・THERESIA・D・G・R・IMP・HU・BO・REG・ARCHID・AVST・DUX・BURG・CO・TYR・1780・X」は開催されます。どうぞご期待ください。

大岩雄典「無闇」2021, TALION GALLERYでの展示風景, 撮影:屋上

大岩雄典
1993年埼玉県生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程在籍。
インスタレーションとフィクションについて制作・研究。時空間とその経験のもつ形を考え、作品やテクストとして提示する。
近年の主な展覧会に「渦中のP」十和田市現代美術館サテライト会場 space (2022/青森)、「margin reception」渋谷スクランブルスクエア プラスアートギャラリー (2021/東京)、「見逃し配信|Catchup」The 5th Floor (2021/東京)、「無闇」TALION GALLERY(2021/東京)、「バカンス」トーキョーアーツアンドスペース本郷 (2020/東京)などがある。

髙柳恵里, 「αMプロジェクト2022 判断の尺度 vol. 1 髙柳恵里|比較、区別、類似点」2022, gallery αMでの展示風景, 撮影:守屋友樹

髙柳恵里
1962年神奈川県生まれ。1988年多摩美術大学大学院美術研究科修了。多摩美術大学絵画学科教授。
事物や状況と結びついた認識のテクスチュアリティを重視する態度により、インスタレーション、写真、ドローイングなどの制作を行う。
近年の主な展覧会に「判断の尺度 vol.1 髙柳恵里|比較、区別、類似点」gallery αM (2022/東京)、「デモンストレーション」TALION GALLERY (2021/東京)、 「コレクション現代日本の美意識」国立国際美術館 (2020/大阪)、「それは、正確であるか」See Saw gallery + hibit (2019/愛知)、「百年の編み手たちー流動する日本の近現代美術」東京都現代美術館 (2019/東京)などがある。

平田尚也, 「さかしま」2021, Satoko Oe Contemporaryでの展示風景

平田尚也
1991年長野県生まれ。2014年武蔵野美術大学彫刻学科卒業。空間、時間、物理性をテーマにネット空間から収集してきた既成の3Dモデルや画像などを素材とし、主にアッサンブラージュ(寄せ集め)の手法でpcのバーチャルスペースに構築した仮想の彫刻作品を発表する。仮像を用いることによって新たな秩序の中で存在するもう一つのリアリティを体現し、ありえるかもしれない世界の別バージョンをいくつも試すことによって現実の事物間の関係性を問い直し、彫刻史の現代的な解釈を考察する。主な展覧会に「メディウムとディメンション:Liminal」柿の木荘(2022/東京)、「VOCA展2022」上野の森美術館(2022/東京)、「さかしま」Satoko Oe Contemporary(2021/東京)、「TAMPA」The 5th Floor(2021/東京)、「∃, Parallels, Invulnerability」トーキョーアーツアンドスペース本郷(2018/東京)などがある。

White Waters [玉山拓郎、C2D],「I ALONE CAN FIX IT」2021, ANOMALYでの展示風景
White Waters [玉山拓郎、C2D]
玉山拓郎と C2D(シー・ツー・ディー)によるユニット。社会的・言語的な二分法のあいだや透き間に入り込み、 その両側に浸潤していくコンセプチュアル・サポートとして活動する。近年の主な展覧会に「I ALONE CAN FIX IT」ANOMALY(2021/東京)などがある。
玉山拓郎は1990年岐阜県生まれ。2013年愛知県立芸術大学美術学部油画専攻卒業。2015年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画研究分野修了。近年の主な展覧会に「Static Lights : Unfamiliar Presences」Sony Park Mini (2022/東京)、「Anything will slip off / If cut diagonally」ANOMALY (2021/東京)、「開館25周年記念コレクション展 “VISION Part 1 光について / 光をともして”」豊田市美術館 (2020/愛知)、「VOCA展 2020」上野の森美術館 (2020/東京)などがある。
C2Dは1981年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。2011年頃より、多数のアーティストとの会話や共同作業を重ね、作家や作品などの固有名を表象・代理することについての考察・研究を行う。「一番良い考えが浮かぶとき」TALION GALLERY (2020/東京)においてコラボレーション参加。

入江早耶「東京大悪祭 ~Happy Akuma Festival~」by 東京画廊+BTAP

《青面金剛困籠奈ダスト》 (2020) 薬箱、薬袋、消しゴムのカス、樹脂 40×25×21 cm

入江早耶「東京大悪祭 ~Happy Akuma Festival~」by 東京画廊+BTAP
2022年9月22日(木)− 10月9日(日)
会場:CADAN 有楽町 (東京都千代田区有楽町 1-10-1 有楽町ビル 1F)
営業時間:火-金 11:00-19:00 / 土・日・祝 11:00-17:00
定休日:月曜日
企画:東京画廊+BTAP|東京

●トークイベント
9 月 22 日(木) 18:00~18:30
出演: 入江早耶(アーティスト)、山本豊津(東京画廊+BTAP 代表)
参加無料、予約優先(15 名)
ご予約はこちらから:https://cadanarttalktokyogallery.peatix.com/view

●レセプション
9 月 22 日(木) トーク終了後〜20:00まで

CADAN 有楽町では、東京、銀座を拠点にする東京画廊+BTAPの 企画による入江早耶個展『東京大悪祭 ~Happy Akuma Festival~』を開催いたします。

入江は 1983 年岡山県生まれ。2009 年に広島市立大学大学院芸術学研究科博士前期課程を修了し、現在広 島を拠点に活動しています。2009 年に岡本太郎現代芸術賞に入選、2012 年には第 6 回 shiseido art egg 賞を受賞しました。主な近年の個展に「純真遺跡 〜愛のラビリンス〜」(2019 年、兵庫県立美術館)、 「大悪祭」(2021 年、広島芸術センター)があります。平成 31 年度ポーラ美術振興財団在外研究助成を 得て、今年ニューヨークの ISCP レジデンスプログラムに参加しました。本展は帰国後の初個展となりま す。

入江は印刷物などの日用品に描かれたイメージを消しゴムで消し、その消しカスを用いて彫像を制作する アーティストです。掛け軸の中から消えた観音像が現実の空間に立体として立ち上げられ、紙幣を用いた 作品では肖像画が胸像となって目の前に現れます。イメージとして流通し、日常的な存在となっている図 像を自らの手で一旦消し去り、二次元の情報を三次元の物体に再構築する入江の作品は、我々と表象の関 わりを巡る現代的な問題をユーモラスに提起しています。

超立身出世 Super Cult of Success (Ed.1/30) 2021 / 33 x 45 cm / フレーム: 39.3 x 50.8 cm 和紙、消しゴム版画、彩色
Japanese washi paper, acrylic

本展ではコロナ禍への応答として、近年入江が取り組んでいる神話や民間信仰にまつわる新作を展示いた します。江戸時代における神仏と祈りに関する伝承からインスピレーションを得た《青面金剛困籠奈ダス ト》は、疫病を払うとして祀られてきた青面金剛に由来します。本来は病を撒き散らす悪鬼をあえてまつ ることで、病の拡散を防ごうとした独特な風習に着目し、消した薬箱などから現代版・青面金剛を導き出 しました。彫像の手には、感染予防用のマスクや消毒液がモチーフとして取り入れられ、足元には邪鬼と なったウイルスが懲らしめられています。

その他、古い薬袋を用いた《薬魔地蔵ダスト》や消しゴム版画による護符の絵画など、いずれもユニーク な手法で制作された作品群が一挙に展示されます。また《地獄みくじ》や、過去の作品を掲載した部数限 定のカタログなど、さまざまなグッズも販売いたします。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。

Shigeru Nishikawa – Sealed Temples – by Taguchi Fine Art

"Sealed House 147 -金峯山寺蔵王堂-" (2022) 油彩・グラファイト・金属粉・キャンバス・パネル、oil, graphite and metal powder on canvas, panel, 91.0 x 91.0 cm

Shigeru Nishikawa – Sealed Temples –
2022年8月30日(火)- 9月18日(日)
会場:CADAN有楽町
営業時間:火-金 11:00-19:00 / 土・日 11:00-17:00 定休日:月曜日
企画:田口ファインアート

初日にレセプションとアーティストトークを催します。是非お立ち寄りください。
8月30日(火)18:00-20:00 レセプション / 18:30-19:00 アーティストトーク

このたびCADAN有楽町では、東京、日本橋本町を拠点とする田口ファインアートによる西川茂個展「Sealed Temples」(覆われた寺院)を開催いたします。

西川茂(にしかわしげる)は1977年岐阜県生まれ。1997年に近畿大学理工 学部土木工学科環境デザインコースを中途退学、2002年大阪芸術大学附属大阪 美術専門学校芸術研究科絵画コースを修了。2007年から1年間アメリカ・ ニューヨーク州の障がい者と健常者の共同生活体「トライフォーム・キャンプ ヒル・コミュニティ」に滞在、絵画コースでアシスタントを務めました。これまでに奈良、京都、東京で個展を重ね、現在は奈良市と京都木津川市を拠点に活動しています。

西川は近年、都市に突然出現する布状のシート、仮囲いに覆われた、建設中、改築中、あるいは解体中の建築物や構造物を題材に、抽象的表現を試みています。シートの向こう側では、短期間のうちに建築物が出現したり、更地に戻されたりと風景が一変します。私たちはそれにより、眼に見えている総ては堅固に安定したものではなく常に変化している、ということに気付かされま す。西川の「シールド・ハウス」の作品は、「万物の流動性」や、「生成と消 滅」、「時間」を表現しようとする試みであり、写実性、再現性から離れ、テー マに相応しい動きのある大胆な筆触で描かれます。

今回は「シールド・ハウス」の作品のなかから、改修工事中の寺社仏閣を描 いた作品を中心に、CADAN有楽町の空間を展示構成致します。西川の活動拠点である奈良や京都には多くの寺社仏閣があり、それらを構成する建築物、伽藍は千年の時を超えて私たちの暮らしを見守ってきました。この場合には変化 するのはシートの内側よりもむしろ外側の世界であるということが、他の 「シールド・ハウス」の作品からの逆転であり、興味深いところです。

CADAN有楽町では、先日のアート大阪で初めて発表された清水寺本堂、法隆寺中門を描いた作品に加え、金峯山寺仁王門、金峯山寺蔵王堂、さらには最新作の薬師寺東塔を描いた作品が展示されます。また、お釈迦さまを表わすとともに宗教的空間を象徴する五色幕をモチーフとする、カーテンを取り扱う新しい展開も見られます。ぜひご高覧ください。

http://www.taguchifineart.com/artists.html

田内万里夫個展「MARIO」by Gallery Yamaki Fine Art

(Top image) photo: Daisaku OOZU

田内万里夫個展「MARIO」
2022年8月9日(火)- 8月28日(日)
会場:CADAN有楽町
営業時間:火-金 11:00-19:00 / 土・日 11:00-17:00 定休日:月曜日
企画:ギャラリーヤマキファインアート

●アーティストトーク
8月9日(火) 18:00-18:30
参加無料、予約優先(15名)
*Peatixからご予約ください。
https://cadanarttalkgalleryyamakifineart.peatix.com/
*CADANのインスタアカウント(@cadan_insta)からもライブ配信します。

●オープニング
8月9日(火)18:30-20:00

●音楽 LIVE
8月11日、13日、14日、21日、28日(詳細は下段に↓↓)

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このたびCADAN有楽町では、神戸を拠点とするギャラリーヤマキファインアートによる田内万里夫個展「MARIO」を開催いたします。

田内万里夫は、1973 年埼玉県生まれ、1998 年にテンプル大学教養学部英文学科卒業しました。現在は東京を拠点に活動、自らの身体から出てくる形を“曼陀羅”として制作し続けています。幼少期よりフランス、オーストラリア、アメリカ等で過ごし、トライバルアート、サイケデリックアート、ストリートアートに触れ、2001年より現在のイメージを得て、絵を描き始めました。以降、東京、ニューヨーク、ロンドン、アムステルダム、フランクフルト、香港など、国内外で活動を展開しています。また、作品としての発表をおこないながら、音楽家や詩人、パフォーマーとのライブ・パフォーマンス、店舗等の壁画制作、書籍の装画など幅広く活動をする注目の作家です。

曼陀羅という東洋の精神性をともなう伝統芸術と、抽象表現主義など、西洋の近現代美術の両者を融合させ、新たな視覚言語を生み出す田内の作品は、ストリートアートのエッセンスも取り入れながら、異なる伝統、文化、民族、宗教の境界を超えて共鳴するイメージを描き出します。田内にとって描くことは、線を引く行為であり、何が重要で何が不要か、社会について考える時間だと言います。作品の根底に流れる東洋的宇宙観は、現代を生きるわたしたちに、改めてこの社会を見つめ直すようにと静かに語りかけるかのようです。

本展では、会期中にギャラリーの窓に描くライブ・パフォーマンスを予定しています。その日の心境や天気、様々な背景を持つ人々との交流など、内外界にある共存と対立、調和と拮抗の全てを飲み込みながら増殖し、一つの形に留まらず変容していく田内のパフォーマンスは必見です。この機会に是非ご高覧下さい。

 

【略歴】
1973年 埼玉県で生まれる
1998年 テンプル大学教養学部英文学科卒業
現在、東京在住

【近年の主な個展】
2022年 MARIO – CADAN有楽町 (東京)
2019年 Mario Mandala – HACO NYC (ニューヨーク)
2018年 Mario Mandala展 – Tobin Ohashi Gallery (東京)
2010年 Mario Mandala展 – ギャラリーヤマキファインアート (神戸)
2007年 Psyche-Ga-Delic – Magic,Room?? (東京)

【近年の主なグループ展】
2022年 Revolú Gallery (ニューヨーク)
2021年 In the meanwhile… – HACO GALLERY(ニューヨーク)
2020年 JR EAST meets ART @ Takanawa Gateway Fest (東京)
2019年 コレクション展 – ギャラリーヤマキファインアート (神戸)
2009年 メークリヒカイトII – ラディウム/レントゲンヴェルケAG (東京)

【コミッションワーク/パフォーマンス】
2018年 モーラム酒店/壁画(東京)
2016年 DADA100 – Mameromantic (東京)
2014年 ショーウィンドウ作成/ライブパフォーマンス
– American Book Center (アムステルダム)
2012年 キース・ヘリング展 LOVE POP! 壁画プロジェクト/伊丹市立美術館 (兵庫)
2011年 Bar Rinne/壁画 (東京)
2010年 Knst Oktoberfest c/o レントゲンヴェルケAG/八重洲不二家ホテル (東京)

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●音楽 LIVE スケジュール
*入場無料
*ミュージックチャージ: 投銭制
*いずれの回も午後3時ごろ開演予定

(1) 8月11日(木・祝)高岡大祐(チューバ)ソロ
(2) 8月13日(土)高岡大祐(チューバ)+ 赤い日ル女(ヴォイス)
(3) 8月14日(日)高岡大祐(チューバ)+ 潮田雄一(ギター)
(4) 8月21日(日)佐々木彩子(うた・ギター・キーボード)ソロ
(5) 8月28日(日)高岡大祐(チューバ)+ 桜井芳樹(ギター)

◆演奏家プロフィール

● 高岡大祐:8/11(木・祝), 13(土), 14(日), 28(日)
チューバ奏者。即興演奏とジャズ、音響的な側面を持つアコースティック / エレクトロニクス的な演奏形態を中心とする。独自に開発した数多くの特殊奏法を駆使し、アコースティックでの表現を追求、吹奏の限界拡張に挑戦中。現在、ソロでの活動とともに、板橋文夫オーケストラ、渋谷毅エッセンシャルエリントン、華村灰太郎カルテット、桜井芳樹ホープ & マッカラーズ、自身のリーダー・バンド Dead Man’s Liquor など即興演奏と並行してジャズやポップスのフィールドでも活動中。

● 赤い日ル女:8/13(土)
ヴォーカリスト。自作曲を歌うほか即興演奏もおこなう。ソロパフォーマンスのほか、コンピュータ奏者のカール・ストーンとのデュオ・プロジェクトをでアジア諸国や米国での公演など幅広い音楽活動を展開。

● 潮田雄一:8/14(日)
ギターと、たまに歌。これまでに通算四枚のソロアルバムをリリース。近年は即興的演奏もおこない、突囲表猫(林栄一as.潮田雄一g.岩見継吾ba.永田真殻ds )のメンバーでもある。Noahlewis’ Mahlon Taits、王舟、VIDEOTAPEMUSIC、奇妙礼太郎、池間由布子、alfred beach sandalgo fish、等にもギタリストとして参加している。

● 桜井芳樹:8/28(日)
音楽家/ギタリスト。「ロンサム・ストリングス」、「ホープ&マッカラーズ」を主宰するほか、アレンジやプロデュースもおこなう。

● 佐々木彩子:8/21(日)
うた、ピアノ、ギター。ジャズ喫茶メアリージェーン、京都 Jazz in ろくでなし、ゴールデン街で遊び働きながら成人。舞踏オーケストラ「大豆鼓ファーム」、劇団「風煉ダンス」、「イヌイットイヌーク」、「渋さ知らズ」などで活動。地底レコードよりアルバム『あおいとこ』『空』を発表。

Distorted Images by SNOW Contemporary

top image: 雨宮庸介 展示風景 / 個展「H&T. A,S&H. B&W. (Heel&Toe. Apple,Stone&Human. Black&White.)」2021, SNOW Contemporary 撮影:木奥恵三

2022年7月20日(水)- 8月7日(日)
参加作家:雨宮庸介、飯沼英樹、ヒシャム アキラ バルーチャ、日野之彦、布施琳太郎 HITOTZUKI 他
会場:CADAN有楽町
営業時間:火-金 11:00-19:00 / 土・日 11:00-17:00 定休日:月曜日
企画:SNOW Contemporary

■オープニングパーティー
7月22日(金)18:30~20:00

■トークイベント「若手アーティストにとって『成功』とはなにか?」
7月22日(金) 17:30~18:30
出演: 布施琳太郎(アーティスト)、窪田研二(SNOW Contemporary共同ディレクター)
参加無料、予約優先(15名)
*Peatixからご予約ください。
https://cadanarttalksnowcontemporary01.peatix.com/
*CADANのインスタアカウント(@cadan_insta)からもライブ配信します。(アーカイブなし)

この度、CADAN有楽町は、西麻布を拠点とするSNOW Contemporaryによるグループ展「Distorted Images」を開催いたします。

出品作家の1人である雨宮庸介は自身の作品を、「最も毒の無いテーマを扱っている体裁を丁寧に整え、気付かれずに軽量の爆弾を持ち帰らせるような仕組みを常に考えている」(2018年SNOW Contemporary個展・ステートメントより抜粋)と言明しています。例えば彼の代表作でもある溶けたりんごの彫刻作品「apple」は、日常における普遍的な形状のりんごに「溶ける」というズレを加えることで、鑑賞者に対し、この世界の多重な認識の在り方を感知させます。

本展にて発表する作家はいずれも、この世界における生活から小さな歪み(Distorted Images)を感じ取り、それぞれに独自の視点で作品に昇華しています。本展「Distorted Images」を通じて、多様でありながら現実世界に対する鋭い批評性と想像力を兼ね備えたSNOW Contemporaryの作家たちを知っていただく機会となれば幸いです。

雨宮庸介 展示風景 / 個展「H&T. A,S&H. B&W. (Heel&Toe. Apple,Stone&Human. Black&White.)」2021, SNOW Contemporary 撮影:木奥恵三

●雨宮庸介
1975年茨城県水戸市生まれ。1999年多摩美術大学美術学部油画専攻卒業後、2011年に渡欧し、2013年にサンドベルグインスティテュート(アムステルダム)修士課程修了。主な展覧会に「六本木クロッシング2010展;芸術は可能か?」(2010/森美術館)、「国東半島芸術祭-希望の原理」(2014/国東半島、大分)、「Wiesbaden Biennnale」(2018/ヴィースバーデン、ドイツ) 、「未来を担う美術家たち 20th DOMANI・明日展」(2018/国立新美術館)、「Reborn-Art Festival 2021-22」(宮城県石巻市)などがあり、彫刻や映像インスタレーション、パフォーマンスなど、さまざまな手法を用いて日常では意識されない普遍的な事象における境界線の再考を促すような作品を制作しています。

飯沼英樹 展示風景 / 個展「闘ウ女神タチ」松本市美術館(長野)2016

●飯沼英樹
2002年愛知県立芸術大学大学院卒修了後、ナント国立美術大学(フランス)に入学し、2006年までヨーロッパ各地を拠点に活動。日本帰国後の近年は、六甲山に屋外展示をした「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2013」や新宿LUMINE内を彩った「LUMINE meets ART AWARD 2015」、木彫作品約120点を出品した松本市美術館での大個展「戦ウ女神タチ」(2016)など、既存のアートスペースにとらわれない様々な場所と機会で作品を展示。最新のファッションに身を包みしたたかに現代を生きる女性の強さを一貫して表現する飯沼の華やかで都会的な世界観は、発表の度に大きな話題となってきました。時代の空気感も含めて表現された作品からは、社会に対する独自の解釈が提示されています。

ヒシャム アキラ バルーチャ「Mind Expansion」 2022

●ヒシャム アキラ バルーチャ
現在、ニューヨークを拠点に活動するHisham Akira Bharoocha (ヒシャム アキラ バルーチャ)は、日本人の母とビルマ人の父を持ち、幼い頃から家族とともに東京、トロント、ロサンゼルス、サンディエゴと、様々な街を移り住んできました。その後、1998年にニューヨークのロードアイランド・スクール・オブ・デザインを卒業します。在学中から音楽やビジュアルアート、デザイン、ファッション、写真など様々なフィールドで活躍してきたバルーチャの作品は、インスタレーションから壁画、ペインティング、コラージュ、写真、パフォーマンスと多岐にわたります。緻密にコントロールされた色彩の重なりと線が作りだすスペースによって構成されるパターンを背景に、意表をついた自由な空想世界のモチーフが独自の躍動感を持ち、観る者の身体感覚にリズムを刻むバルーチャの世界観は、無意識のイメージや過去の体験、夢と現実が混在しており、自身の幼少時の思い出や、音楽や写真、ウォールペインティングなど身体性を伴う様々な分野で活動している経験から培われたのであろうことが伺えます。

日野之彦「透明の膜」2022

●日野之彦
1976年に石川県輪島市に生まれ、2001年に筑波大学大学院を修了した日野之彦は、2005年のVOCA賞受賞を機に、インパクトの強い人物像が多くの人に知られることとなりました。うつろに見開いた大きな瞳、半開きの口、幼児的なポーズ、白いブリーフを着ただけの裸体など、言いようのない不安定な人物像を、技術に裏付けされた精緻な描写で描き出すことで、静謐な狂気を孕んだ濃密な絵画作品を制作しています。近年は、自身の作品のアイコンとも言える人物像を排除した静物画や風景画、ドローイング、水彩、色鉛筆など様々なメディアやブロンズでの立体作品など様々な表現に挑みながら、独自の表現世界を発展させています。主な個展に、2022年「窓辺」(SNOW Contemporary)、2010年「Wandering and Questioning」(上海美術館)、2011年「日野之彦 ー そこにあるもの」(上野の森美術館)など。

布施琳太郎「Retina Painting」2022

●布施琳太郎
1994年、東京都生まれ。2019年、東京藝術大学大学院映像研究科(映像メディア学)修了。急速に発展するメディア環境下に生きる人間の認知や慣習、それによる社会と人の距離やコミュニケーションのあり方など、可視化されないが実存する意識変容や違和感を、絵画や映像、iPhoneや印刷などの多岐に渡るメディアを用いながら、巧みに顕在化させた作品を発表。また、展覧会企画、批評などの他分野において意欲的な活動を行っています。
主な個展に「名前たちのキス」(SNOW Contemporary、2021)、主な展覧会企画に「惑星ザムザ」(小高製本工業跡地、東京、2022)、「沈黙のカテゴリー」(クリエイティブセンター大阪、2021)、「隔離式濃厚接触室」(ウェブページ、2020)、「iphone mural(iPhoneの洞窟壁画)」(BLOCK HOUSE、2016)など。参加展覧会に「Reborn-Art Festival 2021」(荻浜、2021)など。『美術手帖』や『現代詩手帖』、各種Webメディアに寄稿多数。

 

HITOTZUKI 展示風景「水戸駅前壁画プロジェクト」2019

●HITOTZUKI
HITOTZUKIは、独自に作家活動をしていたアーティストのKAMIとSASUが1999年に結成したユニットです。2000年にニューヨークを拠点として活動するアーティスト集団「Barnstormers」での壁画制作のプロジェクトに招聘され、その後はヨーロッパ各国のミュラルムーブメントに参加。ストリートカルチャーの中で育ち、スケートボードの軌跡にインスパイアされて生まれた力強く明快なKAMIのラインと、80年代のサブカルチャーや人間性心理学に影響を受けたSASUのポップな色彩とシンメトリーな形状がミックスされたHITOTZUKIのスタイルは、華やかでダイナミックな個性と、親密で暖かみのある世界観が共存し、確固たる存在感を持って日本のストリート・アートシーンを牽引してきました。HITOTZUKIが主に制作拠点としているのはビルの外壁や、建築物の内部空間です。周辺の風景と一体化する彼らの作品は、壁画が芸術として受容されている欧米を中心に、アジアをはじめ世界各地で高い評価を受け、多くの新たな風景を創出してきました。

石塚元太良 / 小林万里子 / 田窪恭治 by KOTARO NUKAGA

2022年6月28日(火)-7月17日(日)
出展作家:石塚元太良、小林万里子、田窪恭治
会場:CADAN有楽町
営業時間:火-金曜日 11:00-19:00 / 土曜日・日曜日 11:00-17:00 定休日:月曜日
企画:KOTARO NUKAGA

■ART TALK supported by CVJ
2022年7月2日(土) 11:30- 約30分間
出演: 石塚元太良(アーティスト)、額賀古太郎(KOTARO NUKAGA)
会場:CADAN有楽町
参加無料、予約優先(15名)
Peatixからご予約ください。https://cadanarttalkkotaronukaga02.peatix.com/
*@CADANのインスタアカウント(@cadan_insta)からもライブ配信します。

この度、CADAN有楽町では、六本木と天王洲を拠点とするKOTARO NUKAGA による展覧会「石塚元太良 / 小林万里子 / 田窪恭治 by KOTARO NUKAGA」を開催します。

Gentaro Ishizuka

大型フィルムカメラを手にアイスランドやアラスカといった極地方へ足を運び、自然やそこに在る人工物や遺構を撮影してきた石塚元太良。世界の全てをイメージとして平面的に見るデジタル写真の時代に、石塚は別の目で見る世界の姿を私たちに経験させてくれます。本展では、ル・コルビュジエが設計したフランス、リヨン郊外に聳えるラ・トゥーレット修道院の回廊と採光部のルーバーを捉えた作品を展示します。このルーバーの意匠は現代音楽家で建築家でもあるヤニス・クセナキスによって手掛けられ、その不均等なデザインをクセナキスは「オンドュラトワール(波状の)」と名付けました。ルーバーが落とす光の影は、静かな祈りの空間でクセナキス独特の旋律を奏でるのです。

 

Mariko Kobayashi

小林万里子は、織る、染める、編む、刺す、といったさまざまなテキスタイル技法を組み合わせた作品を制作し、世界に存在する様々な結びつきを表現します。有機的な形と自然に還る素材を用いて植物や生き物を描き出すことで、再帰性に溢れた自然世界の循環を色鮮やかに描き出し、我々が「人」として生きる「今」という時間を繙きます。本展では、循環の一部を成す生き物たちとそれ取り巻く宇宙を表現したテキスタイルと立体作品を初展示します。些細な気づきを大きな物語へと繋げる小林の作品から、私たちは生命の本質的な姿を感じるでしょう。

 

 

 

Kyoji Takubo

ポストもの派世代を代表するアーティスト・田窪恭治は、作家が制作を終えた後も表現の現場として存続する「風景芸術」をテーマに発表してきました。約10年の歳月をかけたプロジェクトである、フランス、ノルマンディ地方の小さな村に500年前に建てられたサン・ヴィゴール・ド・ミュー礼拝堂(通称 林檎の礼拝堂)の再生では、「林檎の礼拝堂」完成後フランス政府から芸術文化勲章オフィシエを授与され、芸術作品としての重要性のみならず、地元地域との長期にわたる共同作業が高く評価されました。本展では、《林檎の礼拝堂》(1996年完成)以降、田窪の代表的なモチーフとなった「林檎」を和紙に描いた平面作品とモザイク作品を展示します。風景のなかに自然と溶け込む林檎は、和紙の繊細さと大胆な筆が重なることによって姿を変え、豊かに実ります。

UNDULATIONISM by MORI YU GALLERY

2022年6月8日(水)-6月26日(日)
出展作家:黒田アキ、河合政之、藤原康博、小栁仁志、西山修平、世良剛、浜崎亮太、AKI LUMI
会場:CADAN有楽町
営業時間:火-金曜日 11:00-19:00 / 土曜日・日曜日 11:00-17:00 定休日:月曜日
企画:MORI YU GALLERY

【オープニングパーティー】
6月11日(土)16:00〜18:00
作家を囲んでささやかながらオープニングパーティーをいたします。
お時間ございましたら足をお運びください。

【ヴィデオアート上映 Video Art Screening】
MORI YU GALLERY 出品のヴィデオ・アーティストによる作品上映。
Video art works by artists presented by MORI YU GALLERY.

2022年6月24日(金) 開場19:00、開演19:20
June 24th, 2022, Open 19:00, Start 19:20

入場無料/定員15名/予約優先
こちらからご予約ください。
https://cadanyurakuchomoriyugalleryscreening.peatix.com/

上映作品 Works/作家 Artists→Screening_Program

*作品によって明滅や政治的な内容を含む場合があります。
*Some works may contain flashing lights or politically sensitive contents.

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この度、CADAN有楽町では、京都を拠点とするMORI YU GALLERYによるグループ展、「UNDULATIONISM」を開催いたします。

「UNDULATIONISM」は造語です。翻訳するとすれば、「波動」主義とでも訳せましょうか。「UNDULATION」とは、真っ平らでflatなものではなく、揺れており、起伏があり、そこには「NOISE」が含まれ、否、「NOISE」から生まれてきたといえるでしょう。

「NOISE」という難解な言葉から始めましょう。「Noise(ノワーズ)」という言葉は、マーグ画廊の創業者であるエメ・マーグ(Aimé Maeght, 1906-1981)の死後、1985年に、デリエール・ル・ミロワール誌を引き継ぐ形で創刊されたマーグ画廊の新しい美術誌のタイトルとして使われていました。編集長には、マーグ画廊の黒田アキ(Kuroda Aki, 1944-)。「ノワーズ」は黒田の友人であるフランスの哲学者、ミッシェル・セール(Michel Serres,1930-)の「NOISE」論に依拠し、黒田自身が名付けました(1985年5月発行の創刊号から1994年の18/19合併号まで全17冊発行)。

さて、中沢新一氏によると、「ノワーズ、それは古いフランス語で「諍(いさか)い」をあらわしている。バルザックはこの古仏語の語感を利用して、「美しき諍い女 la belle noiseuse」という存在を創造した。しかし、ノワーズのさらに古い語感を探っていくと、異質領域から押し寄せてくる聴取不能な存在のざわめきのことを、言い当てようとしているのがわかる。不安な波音を発する海のしぶきとともに出現するヴィーナスの像などが、そのようなノワーズの典型だ。ヴィーナスは海の泡から生まれたとも言われるが、またいっぽうではその泡は男女の交合の場所にわきたつ泡だとも言われる。いずれにしても、それは世界の舞台裏からわきあがってくる不気味なざわめきにつながっている」 (中沢新一『精霊の王』-第五章 緑したたる金春禅竹-より)。

前置きが長くなりましたが、所謂ノイズと言われるものと全く「NOISE」は違うのです。そうした「NOISE」が変化したものを我々は「波動」、「UNDULATION」と名付けてみましょう。

Masayuki Kawai

例えば、今回出展する作家である河合政之は、アナログのシステムを駆使する映像作家です。デジタルでは有用なシグナルのみを用いるが故に、捨象されてしまうノイズをもフィードバックという運動で展開される閉回路に取り込み、シグナルとノイズという二元論を超越した「たんなる物質とは違うもの」へと見事に変換させてしまいます。河合はフィードバックという手法によって、モダニズム的な自己言及性では無く、内在と超越の両者を切断しつつも接続する「NOISE」という概念を体現している作家と言えるでしょう。アナログにしかなし得ない、非連続の連続とでもいえる可能性を初めて開いた思想を携えた作品群がART BASEL HONGKONGで高く評価されたことは記憶に新しいでしょう。「NOISE」は、 存在論的には所謂シグナルとノイズとの間にあり、時に接続し、また時に切断されるのですが、その中で「NOISE」は違う状態へと超越するのです。それは主体と客体、個人と社会、過去と未来、シグナルとノイズといった両者を接続しつつ切断し、たんなる物質とは違う、先の例えのようなビーナスへと変容していきます。そして、それはまた日本の文化的特長とも言える空間的、時間的な余白、空白といった「間」(ま)の意味も纒うといえるでしょう。

 

藤原康博

藤原康博は、様々な山を描くことで知られた作家です。「私の作品は、崇高なものには程遠いものですが、自分の記憶から何かを少しずつ加えつつ、何かを削ぎ落としていくように描いていきます」と語ります。山がまだ山という名称さえなかった太古の時代に存在していたそれと、藤原自身の記憶の底から導かれた山の表象と、その「間」(ま)に存在するimage、つまり「NOISE」から生み出された「UNDULATION」を描いていると言えるのではないでしょうか。それは、現実と人の記憶の間と言ってしまえば、写実絵画の説明のようなあたりまえの話になってしまいますが、藤原の絵画に在る「間」とは大きな違いがあります。彼の絵画はactualな山と潜在的な山との「間」にある山であり、質の違いを獲得しつつ、空間だけでなく、時間を含んだものとしても描かれています。山の白いimageは、時間の「間」で浮遊するかのように、物質性を強調する支持体としてベニヤ板の上に描かれた時、記憶よりactualな山に近づきつつもその「間」を保ち、映像のように揺蕩っています。また一方、山のimageは、キャンヴァス上に描かれた時、自身の記憶により近いものですが、actualな意味からも離れすぎないimageとして、時間と共に「在る」と言えるでしょう。我々鑑賞者は、誘われるように、空白としてのその「間」にいつしか没入し、自らの記憶における山と藤原の描く山とを比較し、彼の潜在的な思考と、現実的な自然における山との対峙によって、さらなる迷宮へと誘われます。

藤原は、国立国際美術館(大阪)で開催中の展覧会「感覚の領域  今、経験するということ 」に出品していました。ここでの作品の多くには、2020年に網膜剥離を発症した彼自身の経験が盛り込まれています。部屋の中のベッドや布団といったものと窓から見える外の風景が綯い交ぜになったような絵画には、今まで存在していた家という内部と外部の境界が脆くも崩れ去ったような風景が描かれています。遠くにあるはずの山のimageが家の中の布団の山のimageと重なり、違和感なく鑑賞者の眼前にあって、そこにあった山とここの布団の山が同時に立ち上がり一つになっている絵画と受け取れます。これは、藤原が網膜剥離を患う以前から制作してきたベニヤ板に描かれた山と、キャンヴァスに描かれた山とが重なったようなものともとれるでしょう。治療、療養後に描き出した作品が、さきほど説明したimageの難解さを理解し易いものにしたとも解釈できるでしょう。我々鑑賞者が理解可能で写実的、つまりactualなものと藤原自身の潜性的なものの「間」にあるimageは、藤原が「記憶の奥行き」と語る「眼には見えない記憶の谷」にこそ「在る」のです。そのimageこそが、「NOISE」から生み出されたところに在る「UNDULATION」ともいえるでしょう。

Aki Kuroda

そして黒田アキ。彼は、日本では1993年には東京国立近代美術館にて個展を開催しました。彼は、1970年代後半、パリ・ビエンナーレにおいて発表された「conti/nuit/é」(連続の中の夜)という絵画において、モダニズムを超えていこうとする新しき絵画として評論家に評されました。キャンヴァス上において、描かれた黒い線がすっと伸びていくその先で、時に線が縺れ、その縺れた線があるかたち(figure)となって現れてきます。「連続するもの」(「conti/nuit/é」)という「間」(ま)にあって、フランス語は「夜」(「nuit」)を意味する言葉を含みます。連続する時間と線が、ふと縺れて「夜」というかたち(figure)になる。「夜」は一体いつから始まり、終わるのか判然とせぬまま、過去からも未来からも切断されつつ接続され、また時にそれは連続する時間から逃げ果せ、意味を輝かせるのでしょう。黒田の意味する「夜」は線の縺れから生じ、それはまさに「夜」という「NOISE」から生み出された「波動」、「UNDULATION」として「figure」=人型としてキャンヴァスに描かれています。後年、「連続する夜」(「conti/nuit/é」)というコンセプトは、シュルレアリスムに影響を受けたミノタウロスと繋がり、80年代から描かれてきたシャープで美しき人型ではなく、ミノタウロスと黒田アキの自画像とが綯い交ぜとなった顔として、激しい筆致により、キャンヴァスに描かれています。それはまさに「NOISE」から生み出された「UNDULATION」を語るに相応しい作品でしょう。

今回は、「UNDULATIONISM」という造語を掲げるに相応しいこの3人を中心に、小栁仁志、西山修平、世良剛、浜崎亮太、AKI LUMIなどの作品を展示いたします。どうぞご高覧ください。

MORI YU GALLERY
森裕一

KATHLEEN JACOBS by Fergus McCaffrey Tokyo

2022年5月17日(火)-6月5日(日)
会場:CADAN有楽町
営業時間:火-金曜日 11:00-19:00 / 土曜日・日曜日 11:00-17:00 定休日:月曜日
企画:ファーガス・マカフリー 東京

同時開催:
2022年5月21日(土)– 7月16日(土)
オープニング・レセプション 2022年5月21日(土)5 – 7pm
会場:ファーガス・マカフリー 東京

Kathleen Jacobs, Clearing 72, 2011, Oil on linen

この度、CADAN有楽町では、NYを本拠地とし東京・表参道にスペースを構えるファーガス・マカフリー東京によるキャスリーン・ジェイコブスの個展を開催いたします。

木の幹にキャンバスを巻き、その樹皮の模様を写しこむ独特の方法で制作されるジェイコブスの作品は、対象の樹木が生息する自然環境、そしてその変化の経緯を布地に取り込むことで生み出されます。平面作品の枠を超える彼女のコンセプチュアルな絵画作品は世界中で注目を集め、30年以上にわたる作家活動を通し、ジェイコブスはアメリカ国内外の様々な会場で作品を発表してきました。

中国の明代初期の秋冬の山水画を連想させ、余白の多いミニマルな画面に途方もなく広がる距離を感じさせる彼女の絵画空間は、1984年から88年にかけ元義父であり中国の人間国宝と言われる画家、黄永玉(ホアン・ヨンギュ)と暮らし中国伝統美術を学んだ経験に根付いており、彼女は「14世紀から16世紀の絵画や漢詩の途方もないスケールの捉え方に触発された」と語っています。わずかな筆墨と線で多くを表現する簡素な視覚言語、また石に刻まれた古代文字の拓本を手本に書を学習した経験は、独自の樹木を用いるフロッタージュ技法へとつながって行きます。

彼女にとって初となるアジアでの展覧会はファーガス・マカフリー東京、CADAN有楽町の2会場開催となります。ファーガス・マカフリーでは主に絵画の大作、CADANスペースでは比較的サイズの小さな絵画作品および2012年制作の立体作品展示を予定しています。

Kathleen Jacobs, Clearing 2, 2011, Oil on linen

●キャスリーン・ジェイコブス Kathleen JACOBS
キャスリーン・ジェイコブスは1958年緑豊かなアメリカ・コロラド州に生まれる。ボストンのパイン・マナー・カレッジで学んだのち、1980年イタリア・ミラノに渡りグラフィックデザインを学ぶ。その後、中国と香港に移住。4年間の滞在中、義理の父、また著名な画家でもあった黄永玉に習い、書道の学習を通して、様々な素材と技法を使用し点や線を通して模様を生み出す「マーク・メイキング」に没頭する。1988年世界各地での経験を踏襲し、その後ライフワークとなる木を題材とした作品の制作を始め、89年にアメリカに帰国。

当初、故郷コロラドの森に群生するヤマナラシを描いていた彼女は、「視覚」というフィルターを超え、より奥深く「面白い」方法で目の前の環境を制作に取り込むことはできないのか、と考えたという。そして樹木に直接、触覚的にアプローチする、独特で革新的な方法を初めて試みることになる。木の幹にペイントを塗ったキャンバス、麻布を巻きつけ、その上から何層もオイル・スティックや絵の具を塗り込み、そして雨風に晒す。それを数日から、長い時には数年に渡り繰り返す。その結果、キャンバスには二つとして同じもののない樹皮の模様が何層にも刻み込まれ、木が立つ空間と時間が染み込み、まるでその自然環境を触覚で感じ取れるような多層的な模様が生まれる。

 

Kathleen Jacobs, Clearing 118, 2011, Oil on linen

野外で老熟したキャンバスをジェイコブスはスタジオに持ち帰り、四角のストレッチャーに貼り直したのち、仕上げを施していく。色彩、模様、表面のテクスチャーは強い物質としての存在感を持ちながらも、とらえどころのない曖昧さも漂わせる。鑑賞者に理解を委ねる彼女の大型の作品は瞑想的な風景画のようにも、水面をとらえているようにも見える。

CADAN×ISETAN MEN’S : New Essential

伊勢丹新宿店メンズ館とCADAN(一般社団法人日本現代美術商協会)は、2022年のコラボレーションプロジェクト「New Essential」を開催いたします。

「CADAN×ISETAN MEN’S : New Essential」

開催期間:3月29日(火)~5月31日(火)
設置場所:伊勢丹新宿店メンズ館1階・2階・4階・6階

1階 エントランス、メンズアクセサリー・・・木村 剛士(Tezukayama Gallery)
2階 メンズクリエーターズ・・・マーガレット・リー(MISAKO&ROSEN)
4階 メンズラグジュアリー・・・篠田 守男(KOKI ARTS)
6階 メンズコンテンポラリー・・・大野 晶(XYZ collective)

主催:伊勢丹新宿店メンズ館
協力:一般社団法人日本現代美術商協会

1F 木村 剛士(Tezukayama Gallery)

木村剛士「live log」(2022年) 鉄、ブロンズ、砂 (自転車) H100 × W150 × D60cm、(ブランクーシレプリカ) H60 × W13 × D13cm ©Takeshi Kimura / Photo: Keisuke Kitanishi / Courtesy of TEZUKAYAMA GALLERY

木村剛士は一つの素材に特化せず、様々な素材を用いてアイディアを具現化させることを得意とする作家です。本作は、ルーマニア出身の彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシ(1876年生まれ)の無限柱から着想を得た新作です。ブランクーシの無限柱は天に向かって無限に伸びていますが、木村は現代の時代性に合わせ横に水平に広がり続ける彫刻はないかと模索した結果、《live log》 の制作に至りました。以前より車輪に興味があった木村はコロナ禍において人々が自転車で移動することが増えたことに着目し、自転車のタイヤにブランクーシの彫刻を彫り、走行された地面が水平方向に無限に広がる彫刻作品となるというのがコンセプトとなっています。 様々な場所で展示することで、その車輪の軌跡を広げていきたいと考えています。

◯木村 剛士(きむらたけし)
1980年東京生まれ。
主な展覧会:2017「IN CONCRETE」FEI ART MUSEUM、横浜(個展)「N.E.blood 21 vol.60」リア スアーク美術館、宮城(個展) 2022「Directors’ Selection – FOCUS」TEZUKAYAMA GALLERY(グループ展) 2020「新鋭作家 展 < ざらざらの実話 >」 川口市立アートギャラリー・アトリア、川口(グループ展)2020「六甲ミーツアート芸術散歩」六甲山 (グループ展)2019「ART MIYAGI 2019」宮城県美術館(グループ展)2016「あきたの美術 2016」秋田県立美術館、秋田(グループ展)、2015「大地の芸術祭 KAMIKOANI PROJECT AKITA2015」 秋田県上小阿仁村(グループ展)。

2F マーガレット・リー(MISAKO&ROSEN)

Margaret Lee「This is what I expected」(2017年)polished stainless steel 40 x 48 x 30.5cm ©the artist

マーガレット・リーは、常に女性ならではの目線で世俗的な問題から異性関係やセクシャルな問題までを軽やかなタッチで捉えています。男性社会?女性上位時代?この問いかけは現代社会において、いままさに皆が共有する問題です。男性であること、女性であること、その境界線をなくすことを意識的に問題視しようとする世界においても、いまだシンボリックで強調的なビジュアルは存在します。その曖昧な世界を描くマーガレット・リーの作品は、どこか可愛らしさを秘めています。また鑑賞者への圧倒的な想像力をかき立てるビジュアルが特徴です。

◯Margaret LEE(マーガレット・リー)
1980年ニューヨーク生まれ。現在もニューヨークを拠点に活動。
主な展覧会:2022年「(as) hard as (it) gets」MISAKO & ROSEN、東京(個展)、2020年「For a Dreamer of Houses」ダラス美術館、テキサス(グループ展)、 2020年「I.C.W.U.M」ラ・メゾン・デ・ランデヴー、ブリュッセル(個展)、2013年「リヨン・ビエンナーレ 2013」(グループ展)、「New Pictures of Common Objects (企画:クリストファー・ルー)」MoMA PS1、ニューヨーク(グループ展)。

 

4F 篠田 守男(KOKI ARTS)

Morio Shinoda「TC8612」(2017年) Stone, stainless, brass 32 x 20 x 20cm ©the artist

鋼鉄線の張力と圧力で金属塊を中空に固定させるTC(Tension and Compression)シリーズで知られる篠田は、線を用いて空間と緊張を表現し続け、スケール感のある奇妙で不思議な世界を繰り広げています。

◯篠田 守男(しのだもりお)
1931年東京生まれ。茨城県在住。
主な展覧会:2014年「WALL」KOKI ARTS、東京(個展)、1966年「ベネチアビエンナーレ」ヴェネチア、1983年「現代美術の動向2 1960年代多様化への出発」 東京都美術館、東京(グループ展)、「現代日本美術の展望立体造形」 | 富山県立近代美術館 、富山(グループ展)。

 

6F 大野 晶(XYZ collective)

大野晶「Object for Painting No.48」(2020年)clay H13.2 x W15.0 x D3.5cm ©the artist

大野晶の近年のシリーズ「オブジェクトフォーペインティング」は、抽象絵画と彫刻の間を行き来しています。作品の主な素材は粘土で、油絵具や水彩絵の具は一切使わず、様々な種類の粘土の自然な色を使い制作されます。日本的な工芸・陶芸の文脈と、西洋的な抽象絵画の文脈の両方を取り入れています。

◯大野 晶(おおのひかり)

1990年ドイツ・リューネブルク生まれ。現在は東京を拠点に活動。
主な展覧会:La Boîte-en-Valise オフィスバロック、ベルギー(2020年、グループ展)、”Object For Painting” XYZcollective 、東京(2020年、個展)、「五月女哲平×大野晶」車屋美術館、栃木県(2019年、グループ展)、「大野晶 at ザ・ステーキハウスDOSKOI」ザ・ステーキハウスDOSKOI、東京(2017年、個展)。