「TALE OF THE UNKNOWN DESIRE」と題された新作ドローイングシリーズでは、白い紙にオイルパステルによって様々な痕跡が残されています。時に真っ直ぐ、時に途切れ途切れで描かれる線は、決して同じ軌道を流れることのない涙のようであり、溢れ出す感情そのもののようでもあります。アンドリアノメアリソアは、私たちを常に感情に満ちた彼の世界へ誘います。この感情は抽象的なものではなく、無限に続く運動のように常に物質的であることを彼は望んでいます。感情の物質性は、特定の言語や地理に関係なく読み取ることができます。
このたび、無人島プロダクションはCADAN有楽町にて風間サチコ展「Bad Morning! Tokyo」を開催します。
風間は昨年から毎月、朝日新聞朝刊〈論壇時評〉の挿画を担当しており、連載では現代社会をイメージした版画を掲載しています。
本展では、2023年4月から今年6月まで掲載された作品の原画(リノカット)14点を展示します。
また、2021年に東京都現代美術館で開催された「Tokyo Contemporary Art Award」展で発表した「肺の森」シリーズより、衝突が続く国際情勢を想起させる木版画作品2点も展示します。
風間らしい視点で切り取った現代社会のありようをぜひご覧ください。
風間サチコ
1972年生まれ、東京都在住。1996年武蔵野美術学園版画研究科修了。現在起きている現象の根源を過去に探り、未来に垂れこむ暗雲を予兆させる黒い木版画を中心に制作。一つの画面に様々なモチーフが盛り込まれ構成された木版画は漫画風でナンセンス、黒一色のみの単色でありながら濃淡を駆使するなど多彩な表現を試み、彫刻刀によるシャープな描線によってきわどいテーマを巧みに表現する。近年の主な展覧会に「第24回シドニービエンナーレ」(ニューサウスウェールズ州立美術館 2024年) 「Tokyo Contemporary Art Award 2019-2021 受賞記念展:風間サチコ Magic Mountain」(東京都現代美術館、2021年)「横浜トリエンナーレ」(横浜美術館、2017)「光州ビエンナーレ The Eighth Climate (What Does Art Do?)」(光州市ビエンナーレホール、2016年)など。
On a canvas, Bartoszek spreads a gloomy and melancholic scenes before us: a baby crawling in a coal mine, scene of labour by faceless horses and people and sad looking swan faces all in shades of grey and baby blue. The motifs of the work brings to mind a post-apocalyptic video game meets the polish proletariat avant-garde. This series of works ‘Shop Window’ displayed in space resembling a display window of a boutique, Bartoszek applies her disarming yet painful motifs of innocence to the canvas: she raises fear, war, and threat to a total level in order to feel momentary relief. As he says, thanks to this, “fear temporarily ceases to be dangerous.”
ズザナ・バルトシェック Zuzanna Bartoszek
1993年、ポズナン(ポーランド)生まれ。詩人であり、アーティスト。彼女の作品はMuseum of Modern Art in Warsaw、 Kunsthalle in Zurich、 Kunsthalle in Zurich、Kevin Space in Vienna 、Gaylord in Los Angelesなどで展示されてきました。彼女は「Twórczość」、「Mały Format」、「Wizja」、「Dwutygodnik」、「Lampa」、「Czas Kultury」に寄稿しています。2016年にはデビュー詩集「Niebieski Dwór」(Disastraによる)が出版されました。彼女はワルシャワとベルリンで生活し、制作活動を行っています。
born in 1993, Poznań. Poet and artist. Her works have been exhibited at the Museum of Modern Art in Warsaw, Kunsthalle in Zurich, Kunsthalle in Zurich, Kevin Space in Vienna and Gaylord in Los Angeles. She has published in “Twórczość”, “Mały Format”, “Wizja”, “Dwutygodnik”, “Lampa”, “Czas Kultury”. In 2016, her debut volume “Niebieski Dwór” was published. (by Disastra) She lives and works in Warsaw and Berlin.
今回、池崎は、新旧作品を混在させ、自らの作品をキュレーションし、「シーマップ:レシーブアンドリリース」として再構成した展示空間を作り出します。ポリネシアの古代航海術では、地図やコンパスがない状況で、星の観察や波のパターン、鳥の飛行や、風や雲の動きを見ることで遠く離れた目的地へ導くものでした。池崎も同様に、自身が身を置く環境から文化的、地理的に影響を受けながら、出会った物やイメージに対して、古代航海術のように情報を受信し、それを作品制作の道標として活用しています。作品には、彼の生まれた故郷の風土や祖先や家族の存在を意識したようなものもあります。それは、私的な歴史やアイデンティティを探究しながら過去や未来を往来する終わりなき航海の旅の記録のようです。
今回出品される作品は、リサイクルショップで手に入れたキルトに、母親から習った方法を受け継ぎ、更に手を加えた、「パラレルパッチワーク」やニューヨークに移住後に始めた、送られてきた封筒や段ボール、購入品のパッケージに直接ドローイングを施した「The Address on The Adrress」、台湾のアンティークショップで見つけた海洋地図の断片を文化的地理的なルーツを探る試みとして作品にした「海の地図」を中心に出品します。