当協会会員有志による「文化庁が決定した「あいちトリエンナーレ2019」への補助金不交付についての意見表明」を以下の通り公開いたします。
文部科学大臣 萩生田光一 殿
文化庁長官 宮田亮平 殿
文化庁が決定した「あいちトリエンナーレ2019」への補助金不交付についての意見表明
2019年9月26日、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の一部である企画展「表現の不自由展・その後」の中止、及びその再開に向けた挙動のなか、文化庁が同芸術祭全体に交付する予定だった補助金約7,800万円の不交付の方針を固めたとの発表がありました。
以下に署名する一般社団法人日本現代美術商協会の有志、賛同者は、この方針に対し撤回を強く要求いたします。
いったん支援を決定した助成対象に対し、「審査段階で具体的な計画、脅迫が続いたことの報告」がなかったこと、また「実現の可能性と事業の継続」が見込まれないことを理由に、その経緯や背景の検証を十分に行なわず、しかも事業なかばで補助金の不交付をこの機に決定することは、日本の文化助成のあり方を後退させる、「悪しき前例」になります。
特に今回の「あいちトリエンナーレ」は国際展であり、この動向は芸術の枠を越えて国際的に注視されています。今回の補助金不交付という締め付けは、そもそも文化庁が担うべき文化的役割から大きく逸脱する暴挙であり、広く文化に関わる者全てに圧力を与えるものと考えます。
我々は、この決定が日本の文化政策、公的助成制度の在り方を後退させるものとして、重ねて強く抗議し、撤回を求めます。
2019年9月30日
有志署名(35名)
小山登美夫(小山登美夫ギャラリー、一般社団法人日本現代美術商協会代表理事)
山本裕子(ANOMALY、一般社団法人日本現代美術商協会副代表理事)
青山秀樹(青山|目黒、一般社団法人日本現代美術商協会理事)
森裕一(MORI YU GALLERY、一般社団法人日本現代美術商協会理事)
山本豊津(東京画廊+BTAP、一般社団法人日本現代美術商協会理事)
ローゼン美沙子(MISAKO & ROSEN、一般社団法人日本現代美術商協会理事)
中尾浩治(一般社団法人日本現代美術商協会監事)
白石正美(SCAI THE BATHHOUSE、一般社団法人日本現代美術商協会顧問)
藤城里香(無人島プロダクション、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
蜷川敦子(Take Ninagawa、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
野村ヨシノリ(Gallery OUT of PLACE、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
浦野むつみ(ANOMALY、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
南塚真史(NANZUKA、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
井村優三(イムラアートギャラリー、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
辛美沙(MISA SHIN GALLERY、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
石井孝之(タカ・イシイギャラリー、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
COBRA(XYZ collective、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
結城加代子(KAYOKOYUKI、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
井上佳昭(Yoshiaki Inoue Gallery、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
菊竹寛(Yutaka Kikutake Gallery、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
鶴野ゆか(ユカ・ツルノ・ギャラリー、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
那須太郎(TARO NASU、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
石田克哉(MEM、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
上田剛史(TALION GALLERY、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
染谷卓郎(Takuro Someya Contemporary Art、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
大柄聡子(Satoko Oe Contemporary、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
芦川朋子(WAITINGROOM、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
立松武(STANDINGPINE、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
萩原ゆかり(HAGIWARA PROJECTS、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
松本綾子(nap gallery、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
佐谷周吾(シュウゴアーツ、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
ローゼン・ジェフリー(MISAKO & ROSEN、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
山木加奈子(ギャラリーヤマキファインアート、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
橋本かがり(ANOMALY、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
葛城薫(サンギョーム、一般社団法人日本現代美術商協会会員)
(順不同)
最終更新:2019/9/30 16:45