Micro Salon ミクロサロン

前期
2025年12月16日(火)- 2026年1月10日(土)
初日は20時までオープンします
年忘れパーティ 12月26日(金) 18:00-20:00

後期
2026年1月13日(火)-1月31日(土)
初日は20時までオープンします

営業時間:火-土 12:00-19:00 展覧会最終日 -17:00
定休日:日・月・祝
*冬季休廊 2025/12/28 – 2026/01/05

会場:CADAN大手町
住所:〒100-0004 東京都千代田区大手町 2 丁目 6-3 銭瓶町ビルディング 1 階

 

昨年末に大変ご好評をいただいたCADAN主催の展覧会「ミクロサロン」を今年も開催いたします。かつて12月に東京画廊が実施していた同タイトルの展覧会を継承する企画として、CADANメンバーギャラリーより選りすぐりの小作品を2会期に分けてサロンスタイルで展示いたします。

2025年の締めくくりに、そして新しい一年を迎えるこの時期に、ご自身へのささやかなご褒美や大切な方への贈り物として、心に留まるお気に入りの一点を見つけていただけましたら幸いです。

出展作家(ギャラリー)*前期と後期で、作家・作品の展示替えをいたします。

厚地朋子(TEZUKAYAMA GALLERY)
飯川雄大(TALION GALLERY)
伊佐治雄悟(KANA KAWANISHI GALLERY)
井上七海(KOTARO NUKAGA)
入江早耶(東京画廊+BTAP)
岩崎貴宏(ANOMALY)
岩名泰岳(タグチファインアート)
大江慶之(TEZUKAYAMA GALLERY)
片野まん(MORI YU GALLERY)
金氏徹平(Yumiko Chiba Associates)
金田実生(ANOMALY)
鹿野震一郎(Satoko Oe Contemporary)
川内理香子(WAITINGROOM)
木村秀樹(イムラアートギャラリー)
熊倉涼子(Satoko Oe Contemporary)
黒田アキ(MORI YU GALLERY)
小栁仁志(MORI YU GALLERY)
近藤高弘(東京画廊+BTAP)
佐藤正樹(AISHO)
杉謙太郎(東京画廊+BTAP)
鷹野隆大(Yumiko Chiba Associates)
高橋大輔(ANOMALY)
髙橋銑(LEESAYA)
髙山陽介(ANOMALY)
田中敦子(ギャルリーサン・ギョーム)
田中和人(KANA KAWANISHI GALLERY)
田中秀介(LEESAYA)
谷原菜摘子(MEM)
谷本真理(FINCH ARTS)
塚本暁宣(タグチファインアート)
土取郁香(WAITINGROOM)
土屋裕央(KOKI ARTS)
角田俊也(Sprout Curation)
冨井大裕(Yumiko Chiba Associates)
中辻悦子(Yoshiaki Inoue Gallery)
長谷川寛示(KANA KAWANISHI GALLERY)
浜崎亮太(MORI YU GALLERY)
平川祐樹(STANDING PINE)
平田尚也(Satoko Oe Contemporary)
廣直高(Misako & Rosen)
風能奈々(小山登美夫ギャラリー)
堀田ゆうか(Maki Fine Arts)
宮田雪乃(LEESAYA)
村山留里子(ANOMALY)
元永定正(Yoshiaki Inoue Gallery)
山本尚志(Yumiko Chiba Associates)
山本麻世(Sprout Curation)
横手太紀(CON_)
Amadour(KOTARO NUKAGA)
Johan Creten(ペロタン)
GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE(CON_)
Gabriel Hartley(HAGIWARA PROJECTS)
Maya Hewitt(Misako & Rosen)
intext(STANDING PINE)
Shawn Kuruneru(KOKI ARTS)
Marie Laurencin (ギャルリーサン・ギョーム)
Henri Matisse(ギャルリーサン・ギョーム)
Joan Miró(ギャルリーサン・ギョーム)
Liam Ó Maonlaí (KANA KAWANISHI GALLERY)

やわらかな未来の考古学 — Soft Archaeologies of the Future

出展作家:
岸裕真、熊倉涼子、小林健太、平田尚也

会期:2025年11月25日(火)-2025年12月13日(土)
レセプション:2025年11月25日(火) 18:00-20:00

会場:CADAN大手町
住所:〒100-0004 東京都千代田区大手町 2 丁目 6-3 銭瓶町ビルディング 1 階
営業時間:火〜土 12-19 時 展覧会最終日-17 時
定休日:日・月・祝
MAP

企画:Satoko Oe Contemporary(東京)、WAITINGROOM(東京)
協力:√K Contemporary

CADAN大手町では、2025年11月25日(火)から12月13日(土)まで、Satoko Oe ContemporaryとWAITINGROOMによる企画展『やわらかな未来の考古学 — Soft Archaeologies of the Future』を開催いたします。(協力:√K Contemporary)

私たちはいま、テクノロジーという「機械」と、身体や感覚、記憶といった「人間的なもの」が、これまで以上に複雑に結びついた時代を生きています。日々触れているスクリーンやネットワークは、記録と忘却、過去と未来を横断しながら、新たな「遺物」や「痕跡」を生み出し続けています。そこでは、硬質に思えるテクノロジーの層が、人間のやわらかな感覚とまざり合い、未来の考古学とも呼べるような、新しい観察の方法が立ち上がります。

本展では、岸裕真、小林健太、平田尚也、熊倉涼子の4名が、それぞれの視点と技法を通して、テクノロジーとイメージの「層」を掘り起こし、情報・身体・視覚・記憶のあいだに潜む微細な断片を浮かび上がらせます。

彼らの作品は、デジタルの冷たさと有機的なぬくもり、記録媒体の堅牢さと人間の感覚の儚さとが交錯する領域に、繊細な揺らぎと新たな物語の気配をもたらします。それは、未来からの遺構を発掘するかのように、テクノロジーと人間の関係を再考し、知覚や存在の在り方を更新しようとする試みです。

作家プロフィール

岸裕真 Yuma Kishi
1993年生まれ。慶應義塾大学理工学部電気電子工学科、東京大学大学院工学系研究科(電気系工学専攻)を経て、東京藝術大学大学院美術研究科(先端芸術表現専攻)修了。人工知能を「道具」ではなく「Alien Intelligence(エイリアンの知性)」と捉え、人間とAIの協働による新たな表現の可能性を探求しています。自ら開発したAIモデル「MaryGPT」を制作や展示構成に組み込み、絵画、彫刻、インスタレーションなど多様な手法を横断しながら、美術史的モチーフや文化的コードを再解釈する実践を展開するアーティストです。近年の個展に、「Oracle Womb」(√K Contemporary、東京、2025)、「The Frankenstein Papers」(DIESEL ART GALLERY、東京、2023)など。グループ展に、「DXP2」(金沢21世紀美術館、石川、2024)など。

©Yuma Kishi 岸裕真、The Brides (divided and rebuilt)、2020、2チャンネル・ビデオインスタレーション、ステレオ音声、ループ

熊倉涼子 Ryoko Kumakura
1991年東京生まれ。2014年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。歴史の中で人々が世界を理解しようとする過程で生まれたイメージを元に、絵画を制作。あるひとつの事柄に対して多面的な視点で図像を集め、それを元に作品を構成している。そのようにして同じものに関する性質の異なるイメージを等価に扱うと共に、写実的な描写や落書きのような線などの複数の描写法を混ぜたり、画中画やだまし絵の手法を用いたりして描くことで、視覚的にも揺さぶりをかけ、目に見えるものとは何かを問う作品を制作している。
主な個展に、「Tange, movebis」(三越コンテンポラリーギャラリー・2024)、「汀の椰子、対蹠のグラスフロート」(Quadrivium Ostium・2024)、「Pseudomer」(RED AND BLUE GALLERY・2024)、グループ展に「二人展:熊倉涼子、平田尚也」(Satoko Oe Contemporary・2025)、「人物と静物」(ギャラリー小柳・2024)など。2021年「第34回ホルベイン・スカラシップ」奨学生、2019年「群馬青年ビエンナーレ」に入選。

熊倉涼子, Strangers, 2024, キャンバスに油彩, 53×45.5cm

小林 健太 Kenta Cobayashi
1992年生まれ。2016年東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業。幼少期からMacintoshやプリクラなどのGUI環境に親しみ、自身を「GUIネイティブ」と位置づける小林は、写真とデジタル編集を通じて「真を写すとは何か?」という問いを追求してきました。代表作《#smudge》シリーズでは、Photoshopの指先ツールを用いてピクセルを引き延ばし、「編集行為そのもの」を視覚表現として確立。近年では、写真の記録性とAIの生成性の境界を横断しながら、現代におけるイメージの流動性と人間存在の在り方を問う実践を続けています。
近年の個展に『#copycat』(WAITINGROOM、東京、2025)、『EDGE』(アニエスベー ギャラリー ブティック、東京、2022)、『Live in Fluctuations』(Little Big Man Gallery、ロサンゼルス、2020)など。

小林健太、flowers、2025、レンチキュラー、スチール、750 × 500 × 45 mm

平田尚也 Naoya HIRATA
1991年長野県生まれ。2014年に武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。
空間、形態、物理性をテーマに、インターネット空間で収集した既成の3Dモデルや画像などを素材とし、主にアッサンブラージュ(寄せ集め)の手法でPCの仮想空間に構築した彫刻作品を現実に投影し、発表しています。仮像を用いることによって新たな秩序の中で存在するもう一つのリアリティを体現し、あり得るかもしれない世界の別バージョンをいくつも試すことによって現実の事物間の関係性を問い直す。近年では、アバターの身体的フィードバックに加えて、VRSNS上での存在基盤にも注目しています。
主な個展に、「仮現の反射(Reflections of Bric-a-Bracs)」(資生堂ギャラリー2025)、「Moonlit night horn」(Satoko Oe Contemporary・2024)、「さかしま」(Satoko Oe Contemporary・2021)、など。2019年「群馬青年ビエンナーレ2019」ガトーフェスタ ハラダ賞受賞。2022年パブリックコレクション 愛知県美術館。

平田尚也, 十把一絡げ #4 (Shell Flute), 2025, 3D print / PLA plastic, 45x100x32cm, 撮影:加藤健

Transcending Borders 越境

10 月 31 日(金)、新スペース「CADAN 大手町」が始動します。記念すべき第一回目の展覧会は、関⻄を拠点にする4軒のギャラリーがそれぞれの視点から「越境」をテーマに選んだ 8 人のアーティストの作品を紹介します。

出展作家
井上廣子、笠原恵実子、黒田アキ、谷本真理
福岡道雄、藤安淳、藤原康博、松谷武判

企画
Yoshiaki Inoue Gallery(大阪)The Third Gallery Aya(大阪)
MORI YU GALLERY(京都)FINCH ARTS(京都)

会期:2025年 10月 31日(金)〜11月 21日(金)

オープニングレセプション:10 月 31 日(金)18:00-20:00
*18:30 より出展ギャラリー及び一部出展作家よりご挨拶がございます。ぜひご参加ください。
*隣接するスペース「YAU CENTER ぜにがめ」も同日オープニングイベントを実施します。合わせてご参加ください。

展覧会趣旨
「Transcending Borders 越境」は、国や地域といった地理的な境界を超えることにとどまらず、素材や技法、世代、精神性、文化的背景といった多様な枠組みを横断する創造的な行為としての「越境」に焦点を当てる展覧会です。世代や地域、文化の枠を超えて交錯する多様な実践を通じて、「境界を超える」アートの力を来場者に体感していただくことを目指します。

会場:CADAN 大手町
住所:〒100-0004 東京都千代田区大手町 2 丁目 6-3 銭瓶町ビルディング 1 階
営業時間:火〜土 12-19 時 展覧会最終日-17 時
定休日:日・月・祝
MAP

作家プロフィール

井上廣子 Hiroko Inoue

井上廣⼦ 《Being in the Face #3_Yaroslava (Ukraine)》 2025, archival pigment print, wax, 22.5×16cm, Courtesy of Yoshiaki Inoue Gallery

大阪府生まれ。大学時代に文化人類学を学び、沖縄で出会った琉球藍の染色文化に惹かれ、1974〜75 年に現地で染織を学ぶ。1995 年の阪神淡路大震災を契機に、社会的な視点を取り入れた制作へと転換し、孤立や隔離をテーマとした《不在 Absence》(1997–2001)で注目を集める。1998 年、大阪トリエンナーレで特別賞を受賞し、以後はドイツと日本を拠点に国際的に活動。2023〜24 年にはベルリンで難⺠女性たちと出会い、信頼関係のもとに撮影した肖像シリーズ《Being in the face》を制作。人間の尊厳や境界の問題に光を当て続けている。 [presented by Yoshiaki Inoue Gallery]

 


笠原恵実子 Emiko Kasahara

©︎Kasahara Emiko, Plaids-brown-#6, 2013-2014, False eyelashes on board, 1020 x 828 x 328mm, Courtesy of Yoshiko Isshiki Office and The Third Gallery Aya

1988 年多摩美術大学大学院美術研究科修了。彫刻、オブジェクト、写真、映像、パフォーマンスなどのメディアを用い、女性や身体、性差といったテーマから、宗教性や制度、植⺠地主義といった社会構造を問う表現を展開、主なプロジェクトに、85 か国の教会の献金箱を記録した《OFFERING》や、戦時中の陶器製手榴弾を扱った《K1001K》などがある。第 3 回光州ビエンナーレ(2000)、横浜トリエンナーレ(2001・2014)、シドニー・ビエンナーレ(2004)、PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭(2015)など国内外で発表、収蔵先に東京都現代美術館、京都国立近代美術館、栃木県立美術館、クイーンズランドアートギャラリー(ブリスベン)、バークレー美術館(UC バークレー大学)、フォグアート美術館(ハーバード大学)、カンターアーツセンター(スタンフォード大学)、ドイツ銀行などがある。[presentedby The Third Gallery Aya]

 


黒田アキ Aki Kuroda

黒田アキ 《COSMOGARDEN》 2025, mixed media on canvas, 91×116.7cm, Courtesy of Mori Yu Gallery

1944 年京都生まれ、1970 年よりパリ在住。1980 年パリ国際ビエンナーレ以降、世界各国で個展を開催。1989 年ポンピドー・センターにて展覧(PASSAGE DE LʼHEURE BLEUE),1993 年東京国立近代美術館において個展。翌年、国立国際美術館にて個展開催。1995 年サンパウロ・ビエンナーレ参加。1993 年『パラード』のパリオペラ座の舞台美術を手がける。ヨーロッパ写真美術館にて写真と絵画での個展。建築家リチャード・ロジャース氏との京都府南山城村立小学校のアートワーク,東京ドーム MEETS PORT HALL などのパブリックアート『COSMOGARDEN(宇宙庭園)』を制作(9m のオブジェを制作)。近年は、以前から描き続けてきた人型 figure 作品はもとより、ミノタウロスと自画像を綯い交ぜ
にした Self portrait や宇宙に浮かぶ都市 organic city breaking など荒々しい筆致のペインティングを描くなど、80 歳を超える今尚、絵画とオプジェ、インスタレーションと常にメディアを越境し、変容し続ける希有な作家です。[presented by Mori Yu Gallery]


谷本真理 Mari Tanimoto

谷本真理 《Pansies》 2024, ceramic, φ100×H165 mm, Courtesy of FINCH ARTS

1986 年兵庫県生まれ。2012 年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。『遊び』や『偶然性』を孕んだ作品を制作。主な個展に、2023 年「デイリー・セラピスト」(NADiff A/P/A/R/T、東京)、「Story Time」(PETER AUGUSTUS 、アメリカ) など。主なグループ展に、2022 年「ON-ものと身体、接点から」(清須市はるひ美術館、愛知)、2021 年「Slow Culture」(@KCUA、京都)、2011 年「新・陶・宣言」(豊田市美術館、愛知)などがある。[presented by FINCH ARTS]

 

 

 


福岡道雄 Michio Fukuoka

福岡道雄 《私達は本当に怯えなくてもいいのでしょうか(椿)》 2000, 木、FRP, H120 x W30 x D30 cm, Courtesy of FINCH ARTS

1936 年、大阪府堺市に生まれる。生後まもなく中国北京に渡り、終戦後に帰国。中学2年まで滋賀県海津で過ごす。早くから彫刻家を志し 1955 年大阪市立美術研究所彫刻室に入所。1958 年海辺の砂に石膏を流し込んだ「SAND」シリーズを初個展で発表し注目される。以降、反芸術的作品「何もすることがない」、ため息を彫刻素材として捉えた「ピンクバルーン」、黑い箱状のアトリエや周辺の光景、波の表情による彫刻、平面に言葉を刻み込んだ「僕達は本当に怯えなくてもいいのでしょうか」など戦後の日本における現代美術を代表する彫刻家の一人として国内外で多数の展覧会に発表をつづけるが、2005 年、想像力の回帰を自覚し「つくらない彫刻家」となる。主な展覧会として「現代美術の新世代展」(東京国立近代美術館、1966)、「第 16 回サンパウロ・ビエンナーレ」(1981)、「ヨコハマトリエンナーレ 2014」、「福岡道雄 つくらない彫刻家」(国立国際美術館、大阪、2017)などがある。[presented by FINCH ARTS]


藤安淳 Jun Fujiyasu

©︎FUJIYASU Jun, Layered Lights #010, Courtesy of The Third Gallery Aya

東京都出身。同志社大学経済学部卒業。「他者との関係性」をテーマに、自身が双子である事実と向き合いながらアイデンティティを掘り下げ、「見る」とは、あるいは「在る」とはについて考察した作品を、写真を主として発表を続けている。近年の主な展覧会に、「人間より大きな世界へ」榕异(ロンイー)美術館(上海 2021)、「至近距離の宇宙 日本の新進作家 vol.16」東京都写真美術館(東京 2019)、「double trouble/double grins/is it so with/twins」Lothringer13 Halle(ミュンヘン 2019)、個展「かさなるひかり」高松市美術館 1 階図書コーナー(香川 2025)、個展「かさなるひかり」光兎舎(京都 2023)、個展「Sense of Wonder」元淳風小学校(京都 2019)、個展「empathize」The Third Gallery Aya(大阪 2017)などがある。主な作品収蔵先として東京都写真美術館、Shanghai Duolun Museum of Modern Art など。[presented by The Third Gallery Aya]


藤原康博 Yasuhiro Fujiwara

藤原康博 《迷宮〜記憶の稜線を歩く〜》 2025, oil on canvas, 53×45.5cm, Courtesy of Mori Yu Gallery

1968 年三重県生まれ。1992 年多摩美術大学美術学部絵画科油絵専攻卒業。2002 年 Chelsea College of Art and Design MA Fine Art, London 修了。主な展覧会に「Y2 project 藤原康博 -記憶の稜線を歩く」(三重県立美術館柳原義達記念館、2023)、「感覚の領域 今、『経験する』ということ」(国立国際美術館、大阪、2022)、「パラランドスケープ“風景”をめぐる想像力の現在」(三重県立美術館、2019)など。銀座メゾンエルメスや Hermès Hong Kong など国内外のエルメスウィンドウのディスプレイも手掛ける。平面に加え、自身が夢をみた記憶を絵画ではなく箱に閉じ込めてしまうオブジェシリーズや記憶の稜線と題して現実と夢の線引きを越境するかのような絵画を描き続けている。パブリック・コレクションに国立国際美術館(大阪)、三重県立美術館(三重)、Hwajeong Museum(韓国)、Hana bank(韓国)、THYSSEN – BORNEMISZA ART CONTEMPORARY(オーストリア)など。[presented by Mori Yu Gallery]


松谷武判 Takesada Matsutani

松谷武判 《Deux Cercles -09/ 円》 2009, Vinyl adhesive, graphite pencil, Japanese paper on canvas,mounted on plywood board, 21×15cm, Courtesy of Yoshiaki Inoue Gallery

1937 年大阪府生まれ。日本画を学んだのち、1963 年に戦後日本の前衛芸術を牽引した「具体美術協会」に参加。木工用ビニール接着剤(ボンド)の物質性を生かした有機的なレリーフ作品を発表し、膨らみや垂れといった官能的な形態で絵画の可能性を拡張した。1966 年に第 1 回毎日美術コンクールでグランプリを受賞し渡仏、S.W.ヘイターのアトリエ 17 で研鑽を積み、1970 年に版画工房を設立。その後再び絵画制作を開始し、ボンド造形面を鉛筆で黑く塗りつぶす独自技法を確立。絵画と彫刻の境界を越える実験的表現は高く評価され、2017 年ヴェネツィア・ビエンナーレや 2019 年ポンピドゥー・センター個展など、国際的に活躍を続ける。[presented by Yoshiaki Inoue Gallery]

2025年10月31日「CADAN大手町」オープンのお知らせ

この度、一般社団法人日本現代美術商協会(CADAN)は、一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパンおよび三菱地所株式会社のご協力をいただき、TOKYO TORCH 銭瓶町ビルディング1階の「ぜにがめプレイス」(*1)にて「CADAN大手町」としてスペース運営を再始動する運びとなりました。

CADANは現在、若手から老舗まで、国内51軒のコンテンポラリーアートギャラリーが加盟する非営利の業界団体で、2015年7月、広く現代美術の普及を目指し発足いたしました。以来、10年に渡り、講演会や展覧会といったパブリックイベントの実施、会員向けの勉強会などを行ってきました。新スペース「CADAN大手町」では、「CADAN有楽町」(2020-23, 2024-25)同様に、CADANメンバーギャラリーが2〜3週間ごとに交代で展覧会を企画していく予定です。

新スペースでの記念すべき第一回目の展覧会は、「Transcending Borders 越境」と題し、関西を拠点にする4軒のギャラリー[Yoshiaki Inoue Gallery(大阪)、The Third Gallery Aya(大阪)、MORI YU GALLERY(京都)、FINCH ARTS(京都)]がそれぞれの視点から「越境」をテーマに選んだ8人のアーティストの作品を紹介します。

CADAN代表理事 山本裕子(ANOMALY代表)のコメント
CADANが運営するギャラリースペース「CADAN有楽町」を経て、この10月末日、新たに「CADAN大手町」がオープンします。これからCADANメンバーギャラリーが2-3週間に一度のペースで展覧会を開催し、ときにはトークイベントやギャザリングなど多彩な企画を展開していく予定です。どんな出会いや試みが生まれるのか、どうぞご期待ください。きっと新しい発見があるはずです。
本プロジェクトの実現にあたり、ご協力を賜りました一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン(CVJ)、三菱地所株式会社、また常日頃CADANを支えていただいている皆様に、心より御礼申し上げます。

引き続きCADANへのご支援・ご協力の程宜しくお願い致します。

CADAN大手町
〒100-0004 東京都千代田区大手町2丁目6-3 銭瓶町ビルディング1階
営業時間:火〜土 12-19時 展覧会最終日-17時
定休日:日・月・祝
MAP: https://maps.app.goo.gl/vT4ieNL5YTjqxXj56

CADAN大手町プレスリリース

*1 ぜにがめプレイス
東京都下水道局が銭瓶町ビルディング1階に整備した情報発信拠点(2022年8月2日開設)。東京都下水道局が所有し、大手町、丸の内などの汚水を水再生センターに送水する重要なインフラである銭瓶町ポンプ所が設置されている。大丸有エリアマネジメント協会と連携して下水道の広報やエリア活性化を推進する取り組みを実施している。

役員就任のご挨拶

この度当協会では、去る2025年8月21日に開催いたしました第10回定時総会におきまして役員任期満了に伴う改選を行いました。2015年の設立から11年目を迎え、以下の新体制のもと協会の活動に精励努力致す所存です。引き続きのご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

– 代表理事 山本裕子(重任) ANOMALY 代表
– 副代表理事 南塚真史(重任) NANZUKA 代表
– 理事 大柄聡子(重任) Satoko Oe Contemporary 代表
– 理事 芦川朋子(新任) WAITINGROOM 代表
– 理事 井上佳昭(新任) Yoshiaki Inoue Gallery 代表
– 理事 田口達也(新任) タグチファインアート代表

– 監事 田中靖浩 田中公認会計士事務所代表

– 顧問 白石正美(重任)SCAI THE BATHHOUSE 代表
– 顧問 山本豊津(重任)東京画廊+BTAP 代表
– 顧問 小山登美夫(理事退任、顧問新任)小山登美夫ギャラリー代表

青年部
– 部長 ローゼン美沙子 (Misako & Rosen 代表)
– 飯田優子 (KOTARO NUKAGA)
– COBRA (XYZ collective ディレクター)
– 李沙耶 (LEESAYA 代表)

CADAN有楽町(国際ビル)閉廊のお知らせ

2024年5月のオープン以来、10ヶ月にわたり運営してまいりました国際ビルにおける「CADAN有楽町」は、国際ビルの解体工事に伴い、2025年3月27日をもって閉廊いたします。前スペースの有楽町ビルに引き続き、これまでお力添えいただいた皆様、そして毎回の展覧会にご来廊くださった皆様には心から感謝申し上げます。

CADANは今後も日本の現代美術の振興に寄与すべく活動を続けて参りますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

事務所の住所は引き続き以下の通りです。

〒153-0042
東京都目黒区青葉台3-15-17
FARO中目黒1階
一般社団法人日本現代美術商協会事務局

田中秀介 ゆきゆきてたたずみ合い by LEESAYA

*本展覧会をもちまして、現行の国際ビルにおける『CADAN有楽町』は閉廊いたします。これまでのご支援に心より感謝申し上げます。

Top image:「行きとどく誇りのちらつき A Blink of Pride」2025、キャンバスに油彩、Oil on canvas、H161.7×W193.8cm

会期:2025年3月11日(火) – 3月27日(木)
営業時間:火−金 11時−19時 / 土、日、祝 −17時
定休日:月
会場:CADAN有楽町 Space L
住所:東京都千代田区丸の内3-1-1国際ビル1階

オープニング・レセプション:3月11日(火)18:00-20:00

この度、LEESAYA(東京)はCADAN有楽町にて、田中秀介の個展『ゆきゆきてたたずみ合い』を開催いたします。田中は日常の当たり前にある景色の中に驚きや疑問、恐怖、喜びなど心動く瞬間を細やかに捉え描きます。画面をよく見ると大きくデフォルメされたサイズ感のおかしいモチーフや、劇的な鋭いパースの建物、出鱈目のプロポーションの人物が描かれており、さりげなく不思議な事象が巻き起こっています。作家のプライオリティは「正しく」描くことではなく、あくまで自分の感情を残すことであり、それは絵画表現だからこそ可能にします。本展では、新作を中心に田中秀介の眼差しが色濃く現れた作品群を展示いたします。この機会にぜひご高覧ください。

アーティスト・ステートメント
昨年10月から始まったLEESAYAでの個展は、自覚的に一山越えなければならない内容であったためか、終了した直後茫然としていた。それは疲れとか自信を無くす事によるものでなく、何かが満ちた先に訪れた、束の間の茫然であり、今までにあまり体感したことのない状態だった。
私は普段体感したあらゆる驚きを描いている。その為、日々驚きに対し躍起になったりもするが、この期間その姿勢は落ち着いていた。必要な場所へ出向いたり、食事をするため着席したり、スーパーマーケットで買い物をしたり、都度そこで出会う光景を普段より長く眺め、茫然と佇んだりしていた。
出先でふと目の前に柵があり、そこに茂る草をじっと見ていた。佇んでいるとその草のこれまでとこれからが気になった。よく育ったもの、枯れたもの、よく形が分からないもの、これらは色々経て私と対峙している。色々経たのだろうという事しかわからないが、よくぞ私と出会ってくれたと思った。もう私は行くが、後も草は変わらず生きるだろうとか勝手に想いを馳せながら、名残惜しくその場を去った。
思い返せば身の回りに沢山の物や事に溢れているが、大抵それらのこれまでとこれからは知る由がなく、お互いただ行き着いた先、その時共に在るだけである。そんな事に改めて驚き、今更ながらそれらの出会いはかけがえなく、大切に思えた。
今回、光景に対して佇み、より想いが馳せれたものを描いている。そんな絵を観て、佇んでいただければと思う。
CADANはこの場所での展示は今回で最後とお聞きしている。CADANもこれまでを経て、若輩の私もこれまでを経て、今回めぐり合い、最後という言葉に想いを馳せ、展示を以て私はここで佇んでいる。田中秀介(2025年1月)

田中秀介 Shusuke Tanaka
1986年和歌山県に生まれ、2009年に大阪芸術大学美術学科を卒業。現在は大阪を拠点に意欲的に制作活動を 続けています。
2022年には大阪市立自然史博物館にて、田中秀介展:絵をくぐる大阪市立自然史博物館を開催し博物館という特殊な場所性を活かした展示で大変注目を集めました。またVOCA展2023出展や、令和5年度咲くやこの花賞を受賞するなど、活躍の勢いの増すアーティストです。

宮林 妃奈子 このはのまど by Gallery 38

*本展覧会をもちまして、現行の国際ビルにおける『CADAN有楽町』は閉廊いたします。これまでのご支援に心より感謝申し上げます。

Top image: (left) 雲の根っこ / the Roots of a Cloud, 2024, 194x162x3cm, oil, charcoal on cotton, (right) 飛んだ唄 / The Song in Flight, 2024, 194×162x3cm, oil, charcoal, insect net on cotton, Photography: Takahiro Tsushima

会期:2025年3月11日(火) – 3月27日(木)
営業時間:火−金 11時−19時 / 土、日、祝 −17時
定休日:月
会場:CADAN有楽町 Space M
住所:東京都千代田区丸の内3-1-1国際ビル1階

オープニング・レセプション:3月11日(火)18:00-20:00

この度、Gallery 38ではCADAN有楽町にて宮林妃奈子の個展「このはのまど」を開催いたします。宮林 はオイルペインティングを中心に、コラージュなど多様なメディウムを用いながら、一貫した世界観を表現 しています。日常的なドローイングを通じて「描くこと」との距離を見つめ、慣性から離れ、新たな場所へ と自身を動かしていく。素材を支配するのではなく、受け取るものを表現に織り交ぜる柔軟性と謙虚さが、静かで力強いイメージへと昇華されるのです。本展では、2025年1月下旬にから東京藝術大学で開催された 修了展にて発表された作品の一部を展示いたします、是非ご高覧ください。

アーティスト・ステイトメント
土、アスファルト、石などの粒が集まり地面ができる。時間が過ぎ、面が収縮すると亀裂ができる。地 面の上で、人が歩いたり、走ったり、葉っぱが落ちる。亀裂は境界線となり、裂けるというよりも、互いの 面を押し合うようにして線がうまれる。亀裂がなければ線は現れない。絵や写真のように、四角になにかを 切り取ったり、排除するのではなく、見えないことも含めて、その前や後の痕跡をとらえるように地面を探る。
手で絵を描く。カンヴァスや紙、あるいは木など、絵が描かれるものは一般的に「支持体」(塗膜を支える 面を構成する物質)と呼ばれるが、私にとってそれは「受け止めてくれる手」として目の前にある。手が、動 く。私と支持体のどちらか一方が動くのではなく、互いに触れ合い、確かめあうようにやりとりが始ま る。 コットンの地を木枠に張る。一晩膨潤させた膠を熱湯でほどき、布全体を目止めする。湿った布は重 く、水分によって伸縮し、自然とピンと張る。布目の様子がよく見えるようになる。そこに、砂を置く。あ るいは、触れると破けてしまいそうな薄い紙を置く。針金を埋め込むこともある。一晩乾かし、翌朝には布 は軽いもなかの殻のようになり、壁に寄りかかる。乾いた紙や砂も昨日とは様子が変わっている。描くこと はすでに始まっている。布は私に、油をたっぷり含んだ大きな筆を取らせ、粒の動きを見せてくれる。粗目 の顔料を筆に取り、布の骨をつくる。その骨は、後に溶けてしまうこともある。最初の一手は、骨として始 まりながらも、終わりには最初を忘れさせてくれる。布目に押し込まれるように、筆が動いてゆく。異なる 粗さの粒や石が布の上を走り、色にならずに少しだけ留まる。木炭を布の上の砂に滑らせる。ざらりとした 炭の粒子が線でも面でもない状態で置かれる。水を触れることに似ている。大きさの異なる土や砂の中から アルファベットビスケットを探し出すことにも似ている。マスキングテープで色を加えたり、長い棒の筆で 線を引く。2メートルの布に4メートルの空間を見る。毛先から遠い位置で棒を持ち、自分の腕の力ではないところを探す。しかし、自分の腕であることからは逃れられず、そこにある粒子の動きに抵抗するように腕が動く。ボロ布とテレピンで粒子を拭い取る。それは消すのではなく、線を立たせることであり、描くこと でもある。布目、ピグメントの粒子、染み込んだ絵具、面になりかけた色があり、そこに距離が生まれる。長い棒の先に木炭をつけ、文字を書く。言葉として意味を持たない文字である。文字は立ったり、寝たり、 踊ったりする。また、ボロ布で拭い取ったり、大きな刷毛で馴染ませることもある。身体を超えた大きさの 絵と向き合うとき、この絵をどうにかしようとするのではく、絵を絵ではなくすことを考える。絵をポケット(目のなか)に収めるのではなく、肩のとがったところを触れていくようなところを目指す。筆で描くとき、描く先をみるよりも、周辺の変化する様子をみる。頭の内側の皮膚から絵の四つ角を見る。絵の真ん中 を浮遊させる。完成させることは目指していない。絵の休憩場所を見つけ、足りなさをつくることで、絵から離れる。

宮林 妃奈子 Hinako Miyabayashi
1997年北海道生まれ。ベルリン芸術大学美術学部に交換留学し、マルク・ランメルト氏に師事。2021年 に多摩美術大学油画専攻を卒業後、2023年にベルリン芸術大学マイスターシューラー課程を修了(ティロ・ハインツマン氏に師事)。2025年3月、東京藝術大学大学院修了。主な個展に「土に隠れた文字のしっ ぽ」(Gallery 38、2024年)、「project N 93」(東京オペラシティアートギャラリー、2024年)などがある。

Space S – Drawing Room by Hinako Miyabayashi and Shusuke Tanaka

Top image: 宮林妃奈子《片道の花びら | One-Way Petals》2023, 17.8x12.4 cm, Watercolor on yupo paper

会期:2025年3月11日(火) – 3月27日(木)
営業時間:火−金 11時−19時 / 土、日、祝 −17時
定休日:月
会場:CADAN有楽町 Space S
住所:東京都千代田区丸の内3-1-1国際ビル1階

出展作家
宮林妃奈子(Gallery 38)
田中秀介(LEESAYA)

Space Sでは、Gallery 38とLEESAYAが共にそれぞれの作家のドローイング作品を展示します。 Gallery 38は、Space Mで個展を開催する宮林妃奈子が、2023年ベルリン滞在中に日記のようにして描いた ドローイングシリーズの中から数点をご紹介します。LEESAYAは、Space Lで個展を開催する田中秀介が近年取り組んでいる、様々なモノや事に焦点を当てた「ゆわえ」シリーズを展示します。

新平誠洙 by ARTCOURT Gallery

Top image: Reflection #29、2024、油彩、アルキド樹脂、キャンバス、162x162cm Photo: Takeru Koroda

会期:2025年2月18日(火) – 3月9日(日)
営業時間:火−金 11時−19時 / 土、日、祝 −17時
定休日:月(但し、2月24日[月祝]は開廊、翌25日[火]は休廊)
会場:CADAN有楽町 Space S
住所:東京都千代田区丸の内3-1-1国際ビル1階

オープニング・レセプション:2月18日(火)18:00-20:00

この度、ARTCOURT GalleryはCADAN有楽町にて新平誠洙の個展を開催いたします。

時間の経過や光学原理をテーマに、イメージや情報が氾濫する現代のリアリティを重ねた実験的なアプローチで、絵画の時間と空間表現を探求する新平誠洙の新作を紹介します。二つの異なるイメージを互いに侵食し合うノイズのように描写する《Reflection》は、新平が活動初期より制作するシリーズです。今回は、肖像画を学習したAIが生み出す新たなイメージの生成過程をモチーフに、物事が対照的な二つの側面をもつ二重性を問いかけます。

[アーティスト・ステイトメント]
仏教用語に「二而不二(ににふに)」という言葉がある。1枚の紙に表と裏があるように、1人の人間の中に善と悪があるように、対立した要素を持ちながらも1つのものとして存在しうるという考えだ。また、量子力学において、あらゆるものは粒子と波の両方の性質を併せ持つらしい。物事は矛盾した二重性を抱えることができるという点に、自身の経験からもリアリティを感じ、作品制作のテーマとしてきた。
《Reflection》シリーズでは、2つのイメージが窓ガラスに反射、透過してノイジーな1つのイメージとして重なるように描いている。今回は、肖像画を学習させたAIによる生成画像を2枚重ねている。強烈な二項対立ではないものの、同じ参照元に対しての学習条件を変えた生成画像を使用することで「別の可能性」を対峙させている。干渉しあう確率の波にたゆたう人影。これが今の自分にとってのリアルなポートレートである。(新平誠洙)

新平誠洙 Seishu Niihira
1988年大阪府生まれ。2014年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。
主な展覧会:「MEET YOUR ART FESTIVAL 2023」(寺田倉庫B&C HALL、東京)、「ACG eyes 7: RECORDS」(アートコートギャラリー、大阪、2022年)、「Kyoto Art for Tomorrow 2022<アンスティチュ・フランセ関西賞>」(京都文化博物館、2022年)、個展「DiVISION」(アートコートギャラリー、大阪、2018年)
2025年の予定:「アートフェア東京2025[アートコートギャラリーより出展]」(東京国際フォーラム、東京、3月7日〜9日)、個展「Phantom Paint」(アートコートギャラリー、3月22日〜4月26日)など。

Reflection #28、2024、油彩、アルキド樹脂、キャンバス、Oil, alkyd resin on canvas、162x162cm
Photo: Takeru Koroda
Reflection #28 (detail)、2024、油彩、アルキド樹脂、キャンバス、Oil, alkyd resin on canvas、162x162cm Photo: Takeru Koroda

高瀬栞菜個展「Read Your Diary」by imura art gallery

Top image: 部屋の馬、2024、キャンバスに油彩、194×324cm、2024

会期:2025年2月18日(火) – 3月9日(日)
営業時間:火−金 11時−19時 / 土、日、祝 −17時
定休日:月(但し2月24日[月祝]は開廊、翌25日[火]は休廊)
会場:CADAN有楽町 Space M
住所:東京都千代田区丸の内3-1-1国際ビル1階

オープニング・レセプション:2月18日(火)18:00-20:00

この度、imura art galleryはCADAN有楽町にて高瀬栞菜の個展「Read Your Diary」を開催いたします。

高瀬は絵画を制作する際、日常生活で気になる物や事などを日々メモに残し、言語化した上で、その言葉を元に画面を構成します。言葉でのコミュニケーションではあらわすことができない心の内に秘めている人々の感情を、動物や植物、モノに置き換えながら、ポップに描きギャップを持たせることで、不穏でありつつもユーモラスな物語を探っています。

本展では、昨年12月に京都府新鋭選抜展での特別展示で発表した大作を中心に、今年、新たに制作した新作を加えて展示いたします。日記を読むように、絵画になった高瀬の言葉をご高覧ください。

[アーティスト・ステイトメント]
それぞれの暮らしの中で、似たような複雑な体験をしていて、共有できることが多いと感じます。他人の日記を覗いたときに自分の姿をみつけるように、絵の中のモノや動物たちに日々のことを重ねながらお楽しみいただければと、個展タイトルを「Read Your Diary」とつけさせていただきました。(高瀬栞菜)

高瀬栞菜 Kanna Takase
1994 年 生まれ
2020年 京都市立芸術大学大学院美術研究科 絵画専攻修士課程修了

2020 年
高瀬栞菜個展 まひるののこりもの(ギャラリーモーニング/京都)

2021 年
高瀬栞菜個展 Walk in a tale(京都岡崎蔦屋書店)
黒崎香織・高瀬栞菜二人展 Enclosed mythology(Artist-in-Residence 賀茂なす/京都)
ARTISTS’ FAIR KYOTO 2021(京都文化博物館別館)
Contemporary Art Fair(阪急うめだ/大阪)

2022 年
ART FAIR TOKYO 2022(東京国際フォーラム)
長谷川由貴 高瀬栞菜二人展 変/心(TENSHADAI/京都)
グループ展 色の言ノ葉(新宿髙島屋美術画廊/東京)
グループ展 BEING AND TIME(Powerlong Art Center /上海、中国)

2023 年
高瀬栞菜個展 ほしにためいき(イムラアートギャラリー/京都)
Art Collaboration Kyoto(国立京都国際会館/京都)
ART MARKET 2023(代官山蔦屋書店/東京)
グループ展 (un) fair2023(SUPERSTUDIO MAXI /ミラノ、イタリア)
グループ展 grid2(biscuit gallery/東京)

2024 年
Kyoto Art for Tomorrow 2024 京都府新鋭選抜展最優秀賞 高瀬栞菜個展 とおくてちかくて、はなれてかみあう(京都文化博物館 別館ホール/京都)
へたなくちぶえがきこえる(SHUTL /東京)
天牛美矢子 高瀬栞菜二人展 道端のボトルメール(COHJU/京都)
HANKYU ART FAIR 2024(阪急うめだ/大阪)
グループ展 Emotional Garden(Mozuku Gallery /台湾)
グループ展 Come Across Passage(haku kyoto / 京都)

UFO Catcher、キャンバスに油彩、91×72.7cm、2024

石塚源太 「Primary Surface」 by ARTCOURT Gallery

Top image: Untitled (Faded gold) 、2025、金箔、漆、麻布、2wayトリコット、ポリエチレンフォーム|乾漆技法 25 x 19.6 x 18.8 cm、Photo: Takeru Kotoda

会期:2025年2月18日(火) – 3月9日(日)
営業時間:火−金 11時−19時 / 土、日、祝 −17時
定休日:月(但し2月24日[月祝]は開廊、翌25日[火]は休廊)
会場:CADAN有楽町 Space L
住所:東京都千代田区丸の内3-1-1国際ビル1階

オープニング・レセプション:2月18日(火)18:00-20:00

この度、ARTCOURT GalleryはCADAN有楽町にて石塚源太の個展「Primary Surface」を開催いたします。
漆が生み出す皮膜をテーマに、石塚源太は本能的な身体感覚を触発させる抽象造形の可能性を一貫して追求し続けています。樹液である漆に然るべき形を与え、その表面に宿るつやを漆のふるまいとして躍動させる《Taxis》シリーズで空間を構成し、生命力に溢れますます魅力を高める作品展開をすべて新作で紹介します。素材特有の質感や現象といった自然の中から根源的な美を捉え、人々に新鮮な驚きをもたらす石塚ならではの造形表現との出会いをどうぞお楽しみください。

[アーティスト・ステイトメント]
漆が持つフェテッシュな質感に魅了され作品を作ってきました。漆を塗ること磨くことで重なる皮膜の質感と奥行きの曖昧さに、感情や無意識、触覚といった身体性を投影し、朦朧とした表皮を表現できるのではと思うのです。
木の樹液である漆は、液体であるがゆえにそれ自体で形を留めることができません。塗る対象となる支持体があることで形が自立します。その支持体を作る過程で、漆が成るべき形、成るべき表情を探しています。漆が起こす現象、偶然性と駆け引きすることで、主体的になりすぎず、お互いの淡いのなかで何かを作ろうとしているのだと思います。(石塚源太)

石塚源太 Genta Ishizuka
1982年京都生まれ。ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン)への交換留学を経て、2008年に京都市立芸術大学大学院工芸科漆工専攻修了。主な展覧会:「工芸的美しさの行方」(寺田倉庫、東京/建仁寺、京都/2024年」、「LOEWE Lamps」(Palazzo Citterio、ミラノ/2024年)
、「漆風怒濤-現在を駆け抜ける髹漆表現-」(石川県輪島漆芸美術館、石川/2023年)、「跳躍するつくり手たち」(京都市京セラ美術館、京都/2023年)。主な受賞:京都府文化賞奨励賞(2024年)、ロエベファンデーションクラフトプライズ2019大賞(2019年)、京都市芸術新人賞(2019年)
2025年の予定:「アートフェア東京2025[アートコートギャラリーより出展]」(東京国際フォーラム、東京、3月7日〜9日)、個展(アートコートギャラリー、6〜7月)など。

Taxis Groove (on wall) #7、2025、漆、麻布|乾漆技法
70.8 x 53.3 x 48.5 cm、Photo: Takeru Kotoda

糸会 itokai – 尾関諒(Sprout Curation)& 伊勢周平(Takuro Someya Contemporary)

CADAN有楽町では、2025年1月28日から2月16日の会期、「糸会」というグループから、尾関諒(スプラウト・キュレーション)、伊勢周平(Takuro Someya Contemporary)の2人の30代の画家による作品を2つの部屋でそれぞれの個展形式でご紹介します。

詳しい情報は特設サイトから

2025年1月28日(火)~2月16日(日)
Jan. 28 Tue.― Feb.16 Sun., 2025

オープニングレセプション&アーティストトーク
1月28日(火)18:00–20:00

CADAN 有楽町
東京都千代田区丸の内3-1-1 (Google Map)
営業時間:火~金 11時-19時 土、日、祝 11時-17時
定休日:月(祝日の場合は翌平日)

ON & OFF THE WALL WORKS – Painting and Sculpture

この度、伊勢丹新宿店 本館6階 アートギャラリー にて、CADANキュレーションによる展覧会を開催いたします。7回目となる本展では「ON & OFF THE WALL WORKS – Painting and Sculpture」と題し、11名のアーティストによる作品をご紹介いたします。是非ご高覧くださいませ。

会期:2025年1月15日(水) ~ 2025年1月28日(火) [最終日午後6時終了]
会場:伊勢丹新宿店 本館6階 アートギャラリー
営業時間とアクセスはこちら

□アーティスト(出展ギャラリー)
今井 俊介(HAGIWARA PROJECTS)
今西 真也(nca|nichido contemporary art)
加賀美 健(MISAKO & ROSEN)
金氏 徹平(Yumiko Chiba Associates)
木村 剛士(TEZUKAYAMA GALLERY)
小泉 圭理(TALION GALLERY)
小林 万里子(KOTARO NUKAGA)
鈴木 基真(Takuro Someya Contemporary Art)
水谷 昌人(FINCH ARTS)
三宅 砂織(WAITINGROOM)
森田 浩彰(AOYAMA|MEGURO)

Space S – AKASAKI Mima and Rikako Kawauchi

Top image: 赤崎みま  Untitled, 1998, Ilfochrome print, 520 × 1010mm

会期:2025年1月7日(火) – 1月26日(日)
営業時間:火−金 11時−19時 / 土、日、祝 −17時
定休日:月(祝日の場合は翌平日)
会場:CADAN有楽町 Space S
住所:東京都千代田区丸の内3-1-1国際ビル1階

出展作家
赤崎みま(The Third Gallery Aya)
川内理香子(WAITINGROOM)

Space Sでは、WAITINGROOMとThe Third Gallery Ayaが共にそれぞれの作家の作品を展示します。

The Third Gallery AyaはSpace Mで個展を開催する山沢栄子の影響を受けた赤崎みまの作品を、WAITINGROOMはSpace Lで個展を開催する川内理香子の作品をSpace Lからの流れを引き継いで展示します。

川内理香子, in the drawer, 2024, oil on canvas, 455 × 530mm