《青面金剛困籠奈ダスト》 (2020) 薬箱、薬袋、消しゴムのカス、樹脂 40×25×21 cm
入江早耶「東京大悪祭 ~Happy Akuma Festival~」by 東京画廊+BTAP
2022年9月22日(木)− 10月9日(日)
会場:CADAN 有楽町 (東京都千代田区有楽町 1-10-1 有楽町ビル 1F)
営業時間:火-金 11:00-19:00 / 土・日・祝 11:00-17:00
定休日:月曜日
企画:東京画廊+BTAP|東京
●トークイベント
9 月 22 日(木) 18:00~18:30
出演: 入江早耶(アーティスト)、山本豊津(東京画廊+BTAP 代表)
参加無料、予約優先(15 名)
ご予約はこちらから:https://cadanarttalktokyogallery.peatix.com/view
●レセプション
9 月 22 日(木) トーク終了後〜20:00まで
CADAN 有楽町では、東京、銀座を拠点にする東京画廊+BTAPの 企画による入江早耶個展『東京大悪祭 ~Happy Akuma Festival~』を開催いたします。
入江は 1983 年岡山県生まれ。2009 年に広島市立大学大学院芸術学研究科博士前期課程を修了し、現在広 島を拠点に活動しています。2009 年に岡本太郎現代芸術賞に入選、2012 年には第 6 回 shiseido art egg 賞を受賞しました。主な近年の個展に「純真遺跡 〜愛のラビリンス〜」(2019 年、兵庫県立美術館)、 「大悪祭」(2021 年、広島芸術センター)があります。平成 31 年度ポーラ美術振興財団在外研究助成を 得て、今年ニューヨークの ISCP レジデンスプログラムに参加しました。本展は帰国後の初個展となりま す。
入江は印刷物などの日用品に描かれたイメージを消しゴムで消し、その消しカスを用いて彫像を制作する アーティストです。掛け軸の中から消えた観音像が現実の空間に立体として立ち上げられ、紙幣を用いた 作品では肖像画が胸像となって目の前に現れます。イメージとして流通し、日常的な存在となっている図 像を自らの手で一旦消し去り、二次元の情報を三次元の物体に再構築する入江の作品は、我々と表象の関 わりを巡る現代的な問題をユーモラスに提起しています。

Japanese washi paper, acrylic
本展ではコロナ禍への応答として、近年入江が取り組んでいる神話や民間信仰にまつわる新作を展示いた します。江戸時代における神仏と祈りに関する伝承からインスピレーションを得た《青面金剛困籠奈ダス ト》は、疫病を払うとして祀られてきた青面金剛に由来します。本来は病を撒き散らす悪鬼をあえてまつ ることで、病の拡散を防ごうとした独特な風習に着目し、消した薬箱などから現代版・青面金剛を導き出 しました。彫像の手には、感染予防用のマスクや消毒液がモチーフとして取り入れられ、足元には邪鬼と なったウイルスが懲らしめられています。
その他、古い薬袋を用いた《薬魔地蔵ダスト》や消しゴム版画による護符の絵画など、いずれもユニーク な手法で制作された作品群が一挙に展示されます。また《地獄みくじ》や、過去の作品を掲載した部数限 定のカタログなど、さまざまなグッズも販売いたします。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。