津上みゆき「さらさら、ゆく」 by ANOMALY

津上みゆき「さらさら、ゆく」 by ANOMALY
2022 年 11 月 22 日(火)〜12 月 11 日(日)
会場:CADAN 有楽町
開廊時間:火〜金 11:00 – 19:00 / 土・日・祝 11:00 – 17:00 / 休廊日:月曜日
企画:ANOMALY

○レセプション
11 月 25 日(金)18:30 より、作家を囲んでレセプションを開催いたします。是非お立ち寄りください。

この度CADAN有楽町では、東京・天王洲を拠点とするANOMALYによる津上みゆきの個展「さらさら、ゆく」を開催します。

津上みゆき 1973年東京に生まれ大阪に育つ。京都芸術大学大学院修了。2003年に VOCA賞を受賞、主な個展に、2005年「ARKO 津上みゆき」(大原美術館)、2013年「View−まなざしの軌跡、生まれくる風景」(一宮市三岸節子 記念美術館)、2015年「日本の風景、ウッカーマルクの風景」(ドミニカナ ークロスター・プレンツラウ/ドイツ)、2018年「時をみる」(上野の森美術館ギャラリー)、2019年「View−人の風景」(⻑崎県美術館)などがあり、国内外で数多くの作品を発表してきました。

津上は、1996年ニューヨークでの滞在制作の際に作品について再考する機会を得、帰国後独自の絵画を改めて探求し始めます。2005年大原美術館が行う滞在制作プログラムにおいて、日々のスケッチを元に風景画を描くという現在まで続く制作方法を確立しました。2013年五島文化財団 文化賞美術部門 新人賞受賞により、風景画誕生の地と言われるイギリスに滞在し制作するとともに、過去の風景画家とその作品についての研究と制作を行いました。

《View, A City, Time, 4:45pm 27 June 2022》のスケッチ(参考作品) 2022 ©︎Miyuki Tsugami

作品のタイトルに一貫して”View”という言葉を冠しているのは、目の前に存在する風景だけでなく、見方や考え方という広い意味を含んだ独自の風景画を追求していることに由来しています。津上の描く風景画はどのような風景が描かれているのか瞬時に判断できません。作品は見るものにある種忍耐を強いて存在しますが、津上のつくり出すみずみずしい色彩や豊かな筆致から生まれるかたちには、その土地やその場所が経験してきた出来事を紐解き、眼の前の風景を重ね合わせた、過去から現在までの流れる時間をもが表現されているのです。鑑賞者に作品の前で立ち止まり、色や形、構図や筆致を目で追い、作品を自分の風景として改めて開き、風景というもの、そのものの意味と共に向かい合うことを望む。それが津上みゆきの風景画です。

Left:《View, A City, Rain, 12:58pm 7 June 2022》 2022、 顔料、アクリル、その他、キャンバス、H50xW100cm Right: 《View, A City, Time, 4:45pm 27 June 2022》 2022、 顔料、アクリル、その他、キャンバス、H50xW100cm ©︎Miyuki Tsugami

本展では、三つの場所をスケッチし取材と思考を重ねた道の作品「View, Through the Doors, Morning 16 Jan 2022」、かつて海であった CADAN有楽町のある土地についての丁寧なリサーチに基づき生まれた大作など、新作約15点を展示します。せわしなく多くの人々が行き交う東京の中心、丸の内で、津上の風景画が流れるように過ぎ去る日常や記憶の中の場所に寄り添うきっかけとなれば幸いです。

この地上に棲まう無数の生き物たちが、己の命と共に、無数の場所の端々に、ひとひらとなり一陣となり姿を変えてさらさらとゆく。留まることを知らない水の摂理に小さな舟を浮かべ、今と昔の時を隔てて流るるが如く。

津上みゆき

同時開催となります NADiff a/p/a/r/t での個展は、会場近くを流れる都心の川の取材をもとに生まれた作品群が迫るように鑑賞者を取り囲みます。人の手でもたらされた古くは海であった多くの人々が行きかう都心のオフィス街と、人の住まう街に古くからある自然の水脈の今の姿。今を生きる私たちそれぞれの風景と重ね合わせながら、展示空間と作品との関係性をも踏まえた両展を、どうぞご高覧ください。

○同時開催:津上みゆき 個展
囁く如く (In a Whispering Way)
2022年11月23日 (水)−12月18日 (日)
NADiff a/p/a/r/t 、東京
アーティストトーク:2022年12月9日 (金)19:00- 20:30

津上みゆき http://miyukitsugami.jp

TOP画像:《View, Through the Doors, Morning 16 Jan 2022》2022、顔料、アクリル、その他、キャンバス、H146xW276.5 ©︎Miyuki Tsugami