大野 綾子「みどりは草の色カマキリの色」by KAYOKOYUKI

大野綾子「みどりは草の色カマキリの色」by KAYOKO YUKI
2022.4.5 (火) – 24 (日)
会場:CADAN有楽町
営業時間:火-金曜日 11:00-19:00 / 土曜日・日曜日 11:00-17:00 定休日:月曜日
主催・企画:KAYOKOYUKI

この度、CADAN有楽町では、東京・駒込を拠点とするKAYOKOYUKIによる、石彫作家、大野綾子(おおの・あやこ)の個展「みどりは草の色カマキリの色」を開催いたします。

大野綾子はこれまで一貫して石を扱い、彫刻作品を制作してきました。植物や自然の風景、日常の行為などから着想を得たイメージは、石という物質を媒体として独特の「かたち」を獲得していきます。それは、石という素材にこだわり石彫の可能性を模索し続けてきた作家が見出した世界の「かたち」の認識に他なりません。

新作「みどりは草の色カマキリの色」は大野の3才になる子供の言葉に端を発しているといいます。草むらに潜むカマキリやそこから飛び出してくるカマキリは、子供の目を通して、さらには、子供だった頃の過去の記憶から表象された図像のように思われます。「シンプルな出来事から見たことのない新しい世界が広がる」という大野の言葉の通り、硬くて重い石でありながら軽快さを併せ持つカマキリは、重力や時間といった束縛を解放し、まるで未知のものに遭遇したかのような感覚にわたしたちを誘います。

しかしながら、木の破片や鉱物が混入した深岩石から彫り出された草やカマキリ、無垢のステンレスから削り出されたカマキリの痕跡は、気が遠くなるほどの長い時間と強固な物質性を思い出させ、否応なくわたしたちの前に立ちはだかります。軽さと重さ、自由と束縛、立体性と平面性などの相反するイメージの共生という特徴を持つ大野の作品は、無数のシンプルな事象が複雑に交錯しているこの世界の成り立ちに接続する扉のひとつとなり得るのではないでしょうか。

大野 綾子(おおの・あやこ)
1983年埼玉県生まれ、同県在住。女子美術大学芸術学部立体アート学科卒業後、東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修士課程修了。
主な展覧会に、個展「ショーケースギャラリー 大野綾子展」横浜市民ギャラリーあざみ野(神奈川、2020)、「タイムライン —時間に触れるためのいくつかの方法」京都大学総合博物館(京都、2019)、個展「さかなのような人」KAYOKOYUKI(東京、2018)、「所沢ビエンナーレ[引込線]2017」旧所沢市立第2学校給食センター(埼玉、2017)、「Reborn-Art Festival 2017 -Do sculptors Dream of electric car (TOYOTA prius) XYZ collectiveキュレーション」GALVANIZE gallery(宮城、2017)、「leave」秋山画廊(東京、2017)など。「第7回大黒屋現代アート公募展」大賞受賞(2012)、個展「さかなとして浸かる」板室温泉大黒屋 (栃木、2013)を開催。美術講座「暮らしの中にみるかたち」練馬区立美術館 (2014、東京)にてワークショップを開催。小豆島 千軒海岸(香川)、相模原公園(神奈川)、翠ヶ丘公園・須賀川(福島)などに作品設置。
http://ohnoayako.com/