CADANと伊勢丹新宿店メンズ館の1年間にわたるコラボレーションプロジェクトの第二弾が始まります。違う者同士が、平和に一緒に過ごす、暮らすといった意味を込め、持続可能な多様性を尊重する社会を想う造語「Seasonal Cohabit」がシリーズテーマです。ファッションの館、新宿伊勢丹メンズ館に、CADANメンバーギャラリーから4組のアーティストによるインスタレーションが出現します。
2021年3月31日(水)~7月20日(火)
伊勢丹新宿店メンズ館1F・2F・4F・6F
1階 エントランス、メンズアクセサリー・・・山本桂輔(所属ギャラリー:小山登美夫ギャラリー)
2階 メンズクリエーターズ・・・温田山(温田庭子+山下拓也)(所属ギャラリー:TALION GALLERY)
4階 メンズラグジュアリー・・・末永史尚(所属ギャラリー:Maki Fine Arts)
6階 メンズコンテンポラリー・・・石塚隆則(所属ギャラリー:nca|nichido contemporary art)
主催:伊勢丹新宿店メンズ館
協力:一般社団法人日本現代美術商協会
1F 山本桂輔(所属ギャラリー:小山登美夫ギャラリー)
〜かつて別の用途で使われていた道具を擬人化することで開いた新境地〜
山本桂輔は彫刻と絵画の2つの表現方法を横断しながら制作を行ってきたが、2012年、山本は拾った古道具等に部材を加えたり、彫刻を施した作品を発表する。かつて別の用途で使われていた道具をなにかに見立てる、擬人化することは、日本人にとって馴染み深く、ある種のフォークな感覚は作者の新たな展開を感じさせる。
2F 温田山(温田庭子+山下拓也)(所属ギャラリー:TALION GALLERY)
〜ユニットが生み出すキャラクターが映し出すものとは〜
グループ展「一番良い考えが浮かぶとき」(2020)で、8年後に同じ参加作家、同じ場所で行われるという「予予(かねがね)」展を告知するという設定にもとづいて、トレーナー、ポスターなどの形態に制作された。その実態のふたしかな展覧会の告知のために毎日着用することを約束すると、無料で受け取れるという条件付きのマルチプルワーク。
おんたやま(おんたにわこ+やましたたくや)●漫画家の温田庭子と美術作家の山下拓也によるユニット。2017 年より活動を開始。メッセージの発信や流通に関わる不可視のプロセスをキャラクターを用いて擬人化することで、高度に組織化された情報文化の編み目を展示空間へとたぐり寄せ、その生々しい断面を作品として発表している。温田庭子は、ペンネームぴょんぬりらとしてウェブ上で漫画を公開、2015年から温田庭子名義で活動開始。山下拓也は1985 年三重県生まれ、2013 年に京都市立芸術大学大学院(彫刻専攻)修了以降、作家活動をしている。
4F 末永史尚(所属ギャラリー:Maki Fine Arts)
〜日用品の要素を単純化した立体作品は、卓越したテクニックが光る〜
「折り紙モール」は 学校などで作られていた折り紙の輪飾りがモチーフ。簡素な素材、単純な行為から巨大な装飾を作ることができる構造は、多くの人に最初の「飾る意識」を芽生えさせていたのかもしれない。
6F 石塚隆則(所属ギャラリー:nca|nichido contemporary art)
〜動物の姿に変容した隣人たちが暮らすパラレルワールド?〜
石塚隆則の創造する作品には、生々しく、生命力溢れるさまざまな表情の愛らしくもあり、奇妙な小動物(生き物)たちが次々と登場するが、それは自身の興味である日本の神話や民族学、戯画や錦絵等に大きな影響を受けている。擬人化された動物たちは石塚に代わって自身の取り巻く世界や思いを伝える。本作品は、博物館にあるミニチュアジオラマを起点に、自身を取り巻く環境、現状を考察した「光射す公園」のシリーズのなかのひとつ。